懸垂は何回できたらすごい?できる人の割合と平均回数をレベル別に解説

屋外ジムで懸垂のトップポジションをキープする、引き締まった体型の日本人女性。

「懸垂をやってみたら1回もできなかった」「周りは普通にできているのに、自分だけ情けない…」——そんな経験はありませんか?

実は、筋トレをしていない一般成人の大半は懸垂が1回もできません。体力テストから除外されるほど難しい種目なのに、なぜか「できて当然」と思われがちなのが懸垂の厄介なところです。

本記事では、Strength Level(約481万件のトレーニングデータ)と航空自衛隊の体力測定基準(空幕教第129号)をもとに、懸垂できる人の割合何回できたらすごいのかを客観的な数値で解説します。さらに、1回もできない状態から8週間で上達するプログラム、上級者向けの片手懸垂トレーニングまで網羅しています。

結論を先に言うと、10回できれば十分すごい、そして正しい方法で続ければ誰でも必ず上達できます

目次

懸垂は何回できたらすごい?【要約動画】

懸垂できる人の割合|できない人が大半という事実

懸垂に挑戦する前に、まず「自分は普通なのか」「何回できたら上位なのか」という疑問を解消しましょう。

懸垂が1回もできないのは普通?統計データで見る実態

結論から言うと、筋トレをしていない一般成人は懸垂が1回もできないのが普通です。

Bodybuilding.comのフォーラム投票(John Sifferman氏による要約)によると、懸垂ができる男性の中での回数分布はおおよそ以下のとおりです。

回数おおよその割合
1〜5回約50%
6〜10回約25%
10回超約25%

⚠️ この数値は原典記事自身が「informal and very unscientific(非公式かつ非科学的)」と明記している、フィットネスサイト利用者を対象としたネット投票の結果です。原典フォーラムは2024年9月に閉鎖され、現在は二次情報としてのみ残っています。

上記はそもそも「懸垂ができる人」を対象としたデータです。懸垂が1回もできない人を含めると、5回以上できる人は成人男性全体のごく一部と考えられます。

懸垂が難しい理由は明確です。腕立て伏せのように足で体重を分散できず、自分の全体重を腕と背中だけで持ち上げる必要があるためです。広背筋・上腕二頭筋・大円筋・僧帽筋など複数の大きな筋肉群を同時に動員しなければなりません。

かつては小中学校の体力テスト(旧スポーツテスト)に懸垂腕屈伸が含まれていましたが、子どもにとって難易度が高すぎるという理由で1999年の新体力テスト改定時に測定種目から除外されています。つまり、懸垂ができないのは恥ずかしいことではなく、むしろ普通のことです。

懸垂10回できる人の割合

「懸垂10回できたらすごいのか?」という疑問に対して、Strength Levelのデータ(約481万件の自己申告トレーニング記録)が参考になります。

このサイトでは、トレーニング経験に応じた5段階のレベル分けがされています。

レベル意味男性の回数目安(体重70kg)
Beginnerトレーニーの下位5%1回未満
Novice下位20%6回
Intermediate中央値(上位50%)14回
Advanced上位20%24回
Elite上位5%(競技レベル)35回

ただし、このデータは自宅やジムで懸垂を記録するサイト登録者が対象であり、一般人口の平均ではありません。トレーニング経験のない人を含む一般成人男性全体で見れば、10回できる人は全体のごく少数と推定できます。

「懸垂が10回できる」ということは、少なくとも数ヶ月以上のトレーニング経験がある中級者の実力です。運動習慣のない人を含めた一般社会の中では、十分に「すごい」と言えるレベルです。


懸垂は何回できたらすごい?回数別レベル目安

懸垂10回できたらすごい?

10回できれば、一般人の中では上位層です。Strength Levelのデータでは、体重70kgの男性が10回できるとNovice(トレーニーの上位80%)を超えた位置になります。トレーニング未経験者を含む一般人口で考えれば、10回連続は相当な筋力です。

自衛隊の体力測定Ⅱ(後述)では、10回は**5級ライン(30点)**に相当します。自衛隊員のための検定であることを考えると、一般人にとって10回はかなり高いハードルです。

懸垂15回はどのくらいすごい?

**15回できれば、自衛隊の体力測定で3級ライン(50点)**に到達します。Strength Levelの基準でもIntermediate(中央値)を超えており、トレーニーの中でも平均以上の筋力です。

ジムで15回以上を正しいフォームでこなしている人を見れば、多くのトレーニーが「しっかり鍛えている」と認識するラインです。一般人の中では相当な上級者と言えます。

懸垂20回のレベル|自衛隊1級ラインの実力

**20回は、航空自衛隊の体力測定Ⅱで1級ライン(70点)**に相当する数値です。自衛隊員は日々体力錬成を行っているプロ集団であり、その中で最上級の評価を得る回数が20回です。

一般人が懸垂20回を連続で達成するには、通常2年以上の継続的なトレーニングが必要です。ジムでも公園でも、20回以上をストリクトフォームでできれば周囲から注目される存在になります。

自衛隊の体力測定基準から見る懸垂レベル表

「何回できたらすごいのか」を客観的に判断するうえで、航空自衛隊の体力測定Ⅱの公式基準(空幕教第129号 付表第1)が参考になります。

等級得点男性懸垂の回数レベル感
1級70点20回最上級
2級60点18回優秀
3級50点15回標準
4級40点12回合格ライン(24歳以下)
5級30点10回合格ライン(25〜29歳)
6級20点7回合格ライン(30〜39歳)

⚠️ 体力測定Ⅱは海上自衛隊・航空自衛隊で実施されるもので、対象は40歳未満の男性自衛官(女性は30歳未満が対象で、種目は斜め懸垂)です。体力測定Ⅰ(腕立て伏せ・腹筋・3km走)は全自衛官が対象ですが、懸垂はⅡ法の種目であり、全員必須ではありません。なお、陸上自衛隊は「戦技等に直結する体力検定」へ移行しており、Ⅱ法の懸垂は実質運用されていません。

⚠️ ネット上では「1級=17回」という基準表が広く流布していますが、これは非公式のまとめです。公式付表第1では17回は55点(4級と5級の中間相当)であり、1級ライン(70点)は20回です。

この基準を踏まえると、一般人にとっての目安は以下のとおりです。

トレーニング経験別のレベル感:

  • 🔰 未経験者:0〜1回(できなくて当然)
  • 🔰 初心者(1〜3ヶ月):1〜5回
  • 🔰 中級者(半年〜1年):6〜12回
  • 🔰 上級者(2年以上):13〜20回
  • 🔰 エリート:20回以上

ベンチプレスの成長曲線と伸びるペースと同様に、懸垂も回数が増えるほど成長の速度は緩やかになります。10回から15回に伸ばすより、15回から20回に伸ばす方が時間がかかるのが一般的です。


懸垂の平均回数|年齢別・男女別のデータ

男性の年齢別・懸垂平均回数

Strength Level(約481万件の自己申告データ)を元にした、男性の年齢別・レベル別の懸垂回数です。

スクロールできます
年齢BeginnerNoviceIntermediateAdvancedElite
15歳<1<181727
20歳<14132436
25歳<15142537
30歳<15142537
35歳<15142537
40歳<15142537
45歳<13122234
50歳<1191930
55歳<1<171525
60歳<1<141120
65歳<1<11816

⚠️ このデータは「一般人口の平均」ではなく、Strength Level登録者(トレーニング習慣のある層)の中央値です。Intermediateが「トレーニーの上位50%」を意味するため、一般成人の平均回数はこの表より大幅に低くなります。

20〜40歳ではIntermediateが14回で安定していますが、45歳以降は徐々に低下し、60歳では4回まで下がります。加齢に伴う筋量の減少は30代後半から加速するとされており、運動習慣がなければこの低下はさらに急激です。

50代・60代の懸垂平均回数と目標の目安

「50代 懸垂 平均」「60代 懸垂 平均」 という検索が多いことからもわかるように、中高年でも懸垂に取り組みたい方は少なくありません。

上の表から抜粋すると、Strength Levelのトレーニー中央値(Intermediate)は以下のとおりです。

50代・60代のIntermediateレベル:

  • 💪 50歳:9回
  • 💪 55歳:7回
  • 💪 60歳:4回

これらはあくまでトレーニングを継続している層の数値です。50代で懸垂が5回以上できれば平均的なトレーニーの水準、10回以上できれば同年代では上位層と言えるでしょう。

中高年が懸垂に取り組む際の注意点:

  • 🩹 関節への負担:肩関節と肘関節の可動域を事前に確認し、痛みがある場合は無理をしない
  • 🩹 ネガティブ動作から開始:いきなり全力で引き上げず、下ろす動作のコントロールから始める
  • 🩹 回復に時間をかける:48〜72時間の休息が若年層以上に重要

女性の懸垂平均回数と「できる人の割合」

女性にとって懸垂は男性以上に難易度の高い種目です。これは上半身の筋量が相対的に少なく、体脂肪率が高い傾向にあるため、体重に対する引く力の比率が不利になるからです。

スクロールできます
年齢BeginnerNoviceIntermediateAdvancedElite
20歳<1<161424
25〜40歳<1<161526
45歳<1<151323
50歳<1<121019
55歳<1<1<1815
60歳<1<1<1512

トレーニングを継続している女性の中央値が6回(25〜40歳)です。トレーニング未経験の一般女性を含めれば、1回でもできればかなりの筋力であり、5回以上できれば周囲から一目置かれるレベルと言えます。

女性で懸垂に取り組む場合、まずは逆手懸垂やトレーニングチューブを使った補助付き懸垂から始めるのが現実的です。


片手懸垂の難易度と効果|できる人の割合

片手懸垂ができる人の割合と難易度

片手懸垂は、通常の懸垂の2倍以上の負荷がかかる極めて高度な種目です。片手懸垂ができる人の正確な統計データは存在しませんが、一般人口の中では極めて少数と言えます。

Number Webの取材記事によると、「トップレベルの選手になると片手懸垂は普通にできる」とされています。ボルダリングW杯男子年間王者のチョン・ジョンウォン選手(韓国)は、片手懸垂を連続20回できるとのことです。女子選手でも片手懸垂ができる選手がいますが、これはプロアスリートの話であり、一般的なジムで片手懸垂ができる人を見かけることは稀です。

片手懸垂ができる筋力の目安:

  • 💪 両手懸垂が20〜30回連続でできる
  • 💪 **加重懸垂で体重の50〜80%**を追加してできる
  • 💪 30kgの加重懸垂が10回連続でできる

片手懸垂に必要な筋力レベルと前提条件

体重60kgの人が片手懸垂をする場合、計算上は60kgを片腕で引き上げる筋力が必要です。実際にはバランスやテクニックの要素も大きく、純粋な筋力だけでは達成できません。

片手懸垂に挑戦する前に必要な条件:

  • ✅ 両手懸垂が20回以上
  • ✅ 加重懸垂で体重の50〜60%増し
  • ✅ 体幹の安定性が高く、懸垂時のブレを抑制できる
  • ✅ 体脂肪率15%以下が目標

片手懸垂は意味がない?効果とメリット

「片手懸垂は意味がない」という意見がありますが、これには賛否両論があります。

「意味がない」と言われる理由は、日常生活で片手で体を引き上げる場面がほぼないこと、極度の負荷で関節を痛めるリスクがあること、習得に数ヶ月〜数年かかることです。

一方、実際の効果とメリットも明確です。広背筋・上腕二頭筋・前腕筋群が飛躍的に強化されるほか、クライミング競技では振られを耐えたりダイナミックムーブを繰り出す際に直接的な優位性があります。

結論として、片手懸垂は**「必要不可欠ではないが、やる価値はある」**トレーニングです。通常の懸垂で十分な効果を得られるため無理に目指す必要はありませんが、上級者が新たな目標として取り組むには最適な種目です。ヒューマンフラッグ(人間鯉のぼり)のやり方と同じく、自重トレーニングの到達点として挑戦するモチベーションになります。

片手懸垂の段階的トレーニング法

片手懸垂の習得は、以下の3ステップで進めます。

ステップ1:加重懸垂プログラム

段階重量回数
導入体重+10kg5回×3セット
強化体重+20kg3回×3セット
発展体重+30kg2回×3セット
最終体重+40kg以上1回

ステップ2:片手ネガティブ懸垂

台を使ってチンニングポジション(顎がバーの高さ)まで上がり、片手を離して5〜10秒かけてゆっくりと下降します。1セット3〜5回、週2〜3回のペースで継続します。

ステップ3:補助付き片手懸垂

段階補助方法目標
第1段階もう一方の手で手首をサポート10回×3セット
第2段階肘をサポート5回×3セット
第3段階肩をサポート3回×2セット

両手懸垂が20回以上できる状態からスタートした場合、片手懸垂の習得には3〜6ヶ月が目安です。


懸垂で鍛えられる筋肉と効果

懸垂のメイン・サブターゲット筋肉

懸垂は上半身の複数の筋肉群を同時に鍛える**複合運動(コンパウンド種目)**です。

主要ターゲット筋肉:

  • 💪 広背筋:背中最大の筋肉で、V字型の体を作る要
  • 💪 大円筋:背中に厚みを与え、力強い引く動作を支える
  • 💪 僧帽筋:肩から首にかけて広がり、姿勢維持に重要
  • 💪 上腕二頭筋:特に逆手懸垂で大きく活性化
  • 💪 前鋸筋:肩甲骨の安定性を高める
  • 💪 腹直筋:体幹を安定させ、スムーズな動作を可能にする

多くの初心者は腕の力だけに頼りがちですが、背中の大きな筋肉群を主体的に使う意識を持つことで、効率的なトレーニングが可能になります。コツは「肘を後ろに引く」イメージで動作すること。腕を曲げるのではなく、背中でバーを引き下ろす感覚です。

懸垂の種類と難易度の違い

スクロールできます
種類難易度特徴
逆手懸垂(チンアップ)★☆☆☆☆初心者向け。上腕二頭筋への負荷が強い
順手懸垂(プルアップ)★★☆☆☆基本形。背中全体をバランスよく刺激
ワイドグリップ★★★☆☆広背筋により強い刺激。背中の横幅を発達
ナローグリップ★★☆☆☆腕の筋肉により強い負荷
L字懸垂★★★★☆体幹にも強い刺激を与える
片手懸垂★★★★★極めて高度。卓越した筋力と体幹が必要

まずは逆手懸垂から始め、基本的な動作と筋肉の使い方を習得するのがおすすめです。逆手は上腕二頭筋の関与が大きいぶん引きやすく、初心者でも回数を重ねやすいメリットがあります。

懸垂の体型改善・姿勢改善効果

懸垂の継続により、上半身に大きな変化が現れます。

成果が現れるタイムライン:

  • 📅 1ヶ月目:広背筋に初期の変化が現れ、姿勢が改善し始める
  • 📅 3ヶ月目:背中の筋肉の輪郭がはっきりし、上半身に厚みが出てくる
  • 📅 6ヶ月目:胸部から背中にかけての筋肉が発達し、バランスの取れた体型に変化
  • 📅 1年目:Vテーパー(逆三角形の体型)が完成

懸垂は大きな筋群を使う種目のため基礎代謝の向上に効果があり、結果として全身の体脂肪が減少しやすくなります。また、広背筋や僧帽筋が強化されることで姿勢の改善、特にデスクワークによる猫背や巻き肩の改善、肩こり・腰痛の軽減にもつながります。

ただし、これらの数値はあくまでも目安であり、個人の体格・年齢・運動歴・栄養状態によって大きく異なります。重要なのは、自分のペースで着実に進歩を重ねることです。


懸垂の正しいフォームとよくある間違い

正しいフォームのポイント

懸垂の効果を最大限に引き出し、怪我を防ぐためには正しいフォームが不可欠です。

🎯 フォームの基本:

  • 🎯 バーにぶら下がる際は、肩幅よりもやや広めにグリップを取る
  • 🎯 肩甲骨を意識的に下げて寄せることで広背筋を活性化させる
  • 🎯 お腹と臀部に力を入れて体幹を一直線に保つ
  • 🎯 肘を軽く曲げた状態からスタートする

呼吸のタイミングも重要です。

🌬️ 正しい呼吸法:

  • 🌬️ 引き上げ時(コンセントリック)は息を吐く——力を発揮する局面で呼気
  • 🌬️ 下降時(エキセントリック)はゆっくり息を吸う——コントロールしながら吸気
  • 🌬️ 動作全体を通して適度な腹圧を維持する

引き上げの動作では、腕の力ではなく背中の大きな筋肉を使って体を引き上げるイメージが重要です。顎がバーの高さに達するまでしっかり上昇させ、下降時も背中の筋肉をコントロールしながらゆっくりと戻します。

グリップの種類と使い分け

グリップ握り方特徴おすすめ対象
順手(オーバーハンド)手のひらを前に向ける広背筋全体に強い刺激中級者以上
逆手(アンダーハンド)手のひらを体側に向ける上腕二頭筋の関与大、やりやすい初心者
ニュートラル手のひらを向かい合わせ肩関節への負担が少ない肩に不安がある方

懸垂でよくある間違いと怪我の予防

トレーニング効果を低下させ、怪我につながる代表的な誤りです。

❌ 避けるべき動作:

  • 反動を使った引き上げ(キッピング):筋肉への刺激が減少し、肩関節の怪我リスクが高まる
  • 体の過度な揺れ:体幹が不安定になり、正しい筋肉を使えない
  • 肘の完全伸展:肘関節に過度な負担がかかる。常に若干の屈曲位を保つ
  • 首の突き出し:頸椎に負担がかかり、背中の筋肉を使えなくなる

肩関節は懸垂で最も注意が必要な部位です。入念なウォームアップ、肩甲骨の位置を常に意識した動作、反動を使わないストリクトフォームが怪我の予防に直結します。肘関節については、テニス肘やゴルフ肘を防ぐため、疲労時の無理な継続を避け、段階的に負荷を増やすことが重要です。


懸垂が1回もできない人の上達法

懸垂が1回もできない状態から確実に上達するには、段階的なアプローチが不可欠です。

懸垂ができるようになるまでの期間

1回もできない状態から正しい方法でトレーニングを続けた場合、8〜12週間で1回以上の懸垂が期待できます。ただし、以下の要素によって大きく変動します。

⏱️ 期間に影響する要素:

  • ⏱️ 体重:体重が軽いほど早く上達する傾向
  • ⏱️ 運動経験:過去に運動習慣があれば筋肉メモリーが働く
  • ⏱️ トレーニング頻度:週3回程度が最適
  • ⏱️ 年齢:若いほど筋力の向上が早い

ディップスができない原因と練習法と同じ考え方で、「できない→できる」のプロセスは段階を踏むことが大切です。

ネガティブ懸垂と補助トレーニングのやり方

ネガティブ懸垂は、懸垂の下り動作のみを行うトレーニングです。通常の懸垂ができない人でも取り組めるため、筋力向上の近道になります。

🔧 ネガティブ懸垂の手順:

  1. 台を使ってチンニングポジション(顎がバーの高さ)まで上がる
  2. 肩甲骨を寄せた状態を維持しながらゆっくりと体を下ろす
  3. 下降時間は5〜10秒をかけ、背中の筋肉をしっかり意識する
  4. 1セット3〜5回を目安に、2〜3セット実施する

ネガティブ懸垂以外にも効果的な補助トレーニングがあります。

🏋️ 補助トレーニングの選択肢:

  • 🏋️ ぶら下がり練習:握力と体幹の安定性を養う(30秒から開始、最大3分を目指す)
  • 🏋️ インバーテッドロウ:頑丈な机やテーブルの下で実施できる代替種目
  • 🏋️ トレーニングチューブ補助:足にかけて体重の30〜50%を軽減しながら懸垂の動きを練習
  • 🏋️ ダンベルロウ:広背筋に直接的な負荷をかける個別種目

COCグリッパーの選び方と鍛え方で握力を強化しておくと、懸垂で握力が先に限界を迎える問題を防げます。

8週間で懸垂1回を達成する段階的プログラム

第1〜2週目:基礎作り

種目セット×回数
ぶら下がり3セット×30秒
ネガティブ懸垂2セット×3回
プッシュアップ3セット×最大回数

第3〜4週目:補助付き練習

種目セット×回数
ぶら下がり3セット×1分
チューブ補助付き懸垂3セット×5回
ネガティブ懸垂3セット×5回

第5〜6週目:負荷漸増

種目セット×回数
ぶら下がり3セット×2分
チューブ補助付き懸垂(細いチューブへ移行)3セット×8回
ネガティブ懸垂3セット×8回

第7〜8週目:実践練習

種目セット×回数
補助なし懸垂にチャレンジ可能な回数
できない場合は最小限の補助で3セット×限界回数

⚠️ プログラム実施の注意点:

  • ⚠️ 週3回を目安にし、連日の実施は避ける
  • ⚠️ 各種目間は1〜2分の休憩を取る
  • ⚠️ フォームを重視し、質の高い練習を心がける
  • ⚠️ 体調や疲労度に応じて柔軟に調整する

筋肉の回復メカニズムについて詳しくは超回復とは?嘘と言われる理由|フィットネス-疲労理論との違いと筋トレへの活かし方で解説しています。


懸垂の回数を増やすトレーニングメニュー

初心者向け(1〜10回を目指す)

最も重要なのは正しいフォームの習得基礎体力の向上です。

📋 週3回のトレーニング内容:

  • 📋 通常懸垂:現時点での最大回数を3セット
  • 📋 ネガティブ懸垂:5秒かけて下ろす動作を5回×2セット
  • 📋 補助付き懸垂:チューブ補助で5回×2セット

セット間には2〜3分の休息を設けましょう。

中級者向け(10〜20回を目指す)

バリエーションを取り入れることで、さらなる筋力向上を目指します。

📅 週間トレーニング構成:

  • 📅 1日目(基本強化):通常懸垂12〜15回×4セット、ワイドグリップ8〜10回×3セット
  • 📅 2日目(持久力):ピラミッド方式(2-4-6-8-10-8-6-4-2回)とタイムトライアル
  • 📅 3日目(最大筋力):加重懸垂5回×3セット、スロー懸垂(8秒かけて上下)5回×3セット

上級者向け(20回以上・加重懸垂)

🔥 上級者向けトレーニング例:

  • 🔥 極限強化の日:加重懸垂(体重+20〜30kg)とL字懸垂を組み合わせ、最大筋力の向上を目指す
  • 🔥 爆発的パワーの日:クラップ懸垂やマッスルアップなど動的な種目に挑戦
  • 🔥 持久力の日:100回チャレンジ(10回×10セットなど)やタバタ式で心肺機能も向上

停滞期が来た場合の対処法:

  • 🔄 グリップバリエーションの変更(順手→逆手→ニュートラル)
  • 🔄 テンポの変更(スロー、エクスプロージブ、パルス)
  • 🔄 計画的なデロード:1週間程度の軽量期間で新たな成長のきっかけを作る
レベルセット数セット間休息
初心者2〜3セット2〜3分
中級者3〜4セット2〜3分
上級者4〜5セット1〜3分

自宅で懸垂を始める器具の選び方

懸垂バー・チンニングスタンドの種類と選び方

自宅での懸垂トレーニングには、適切な器具の選択が不可欠です。

タイプメリットデメリットおすすめ対象
ドアフレーム型手軽、取り外し可能耐荷重が低め賃貸住宅の方
突っ張り式工事不要、安定性あり天井高の制限あり多くの住環境
壁付け型最も安定、永続設置工事が必要持ち家の方
スタンド型移動可能、多機能スペースが必要広いスペースがある方

🔍 選択時のチェックポイント:

  • 🔍 耐荷重:体重の3倍以上を推奨(加重トレーニングを見据えて)
  • 🔍 グリップの太さ:直径28〜32mmが一般的
  • 🔍 設置スペース:前後左右に十分な余裕を持たせる
  • 🔍 適切な高さ:完全に伸びた状態でつま先が床に軽く触れる程度

チンニングスタンドの詳しい活用法はチンニングスタンドの使い方|効果的なトレーニングメニューと選び方・設置ガイドで解説しています。

補助器具と安全対策

トレーニングチューブは初心者の強い味方です。足にかけて使うことで体重を軽減でき、段階的に細いチューブへ移行することで負荷を上げていけます。

パワーグリップ・リストストラップは、握力が先に限界を迎えてしまう場合に有効です。ただし補助器具に依存すると握力の成長が止まるため、高重量・高回数時のみの使用にとどめましょう。

🛡️ 安全管理のポイント:

  • 🛡️ 使用前に器具の緩みやガタつきがないか必ず点検
  • 🛡️ 定期的にネジの増し締め・金具の状態をチェック
  • 🛡️ 設置面(壁・天井・ドアフレーム)の構造強度を事前に確認

懸垂バーがすぐに用意できない場合でも、インバーテッドロウ(頑丈な机の下で行う斜め懸垂)やトレーニングチューブを使ったプルダウン動作で広背筋を鍛えることは可能です。筋トレに必要なもの完全ガイドも参考にしてください。

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まとめ

懸垂は上半身の総合的な筋力発達において最も効果的な自重種目の一つです。筋トレ未経験者が1回もできないのは普通のことであり、恥ずかしいことではありません。1999年のスポーツテスト改定で小中学校の体力テストからも除外されているほど、難易度の高い種目です。

「すごい」と言えるラインは、一般人を含めれば10回で十分すごい。航空自衛隊の体力測定Ⅱ(公式基準)では15回が3級ライン20回が1級ラインです。片手懸垂は通常懸垂の2倍以上の負荷がかかる極めて高度な種目であり、両手懸垂が20回以上できてから挑戦するのが適切です。

年齢別に見ると、Strength Levelのトレーニーデータ(約481万件)では、25〜40歳男性の中央値が14回、50歳で9回、60歳で4回。女性は25〜40歳の中央値が6回です。ただしこのデータはトレーニング習慣のある層が対象であり、一般人口の平均はこれより大幅に低くなります。

正しい方法で8〜12週間トレーニングを続ければ、1回もできない状態から1回以上の懸垂は達成可能です。焦らず段階を踏むことが、懸垂上達の最大の鍵です。

懸垂に関するよくある質問

懸垂20回できたらすごい?

航空自衛隊の体力測定Ⅱで1級ライン(70点=20回)に相当し、一般人ではトップクラスの筋力です。日々体力錬成を行う自衛隊員の中でも最上級の評価となる回数です。

懸垂は毎日やっても大丈夫?

推奨しません。筋肉の回復には48〜72時間が必要なため、週3〜4回が最適です。毎日行うとオーバートレーニングや怪我のリスクが高まります。

懸垂は何セットが適切?

初心者は2〜3セット、中級者は3〜4セット、上級者は4〜5セットが目安です。セット間の休息は2〜3分を確保しましょう。

懸垂で握力はどのくらい必要?

特定の数値基準はありませんが、バーに30秒以上ぶら下がれれば懸垂に挑戦できます。握力が先に限界を迎える場合はぶら下がり練習から始めましょう。

女性で懸垂は何回できたらすごい?

Strength Levelのデータでは、トレーニングを継続している女性の中央値は6回です。一般女性を含めれば3回以上で十分すごく、5回以上なら上級者レベルです。

懸垂と筋肉痛・怪我の痛みの見分け方は?

筋肉痛は運動後12〜48時間で発生し、数日で治まります。運動中の鋭い痛み関節の痛み1週間以上続く痛みは怪我の可能性があるため、トレーニングを中止して医療機関を受診してください。

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参考サイト・出典:

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