体重計・体脂肪率があてにならない理由と正確な進捗確認方法

ダイエットや体型維持のために体重計や体脂肪率を気にしている方も多いでしょう。毎日欠かさず数値をチェックし、その変化に一喜一憂している方もいるかもしれません。しかし、これらの数値が思いのほか当てにならないことをご存知でしょうか?

実は、体重計や体脂肪率計の示す数値には、様々な要因による誤差が含まれています。そのため、これらの数値だけを頼りにダイエットの進捗を判断すると、正確な評価ができないばかりか、モチベーションの低下不適切なダイエット方法の選択につながる可能性があります。

本記事では、体重計や体脂肪率計の限界と、それらがあてにならない理由を詳しく解説します。さらに、より正確にダイエットの進捗を確認する方法をご紹介します。これらの情報を知ることで、あなたのダイエットや体型維持の取り組みがより効果的持続可能なものになるでしょう。

体重計に振り回されず、本当の健康理想の体型を目指すための正しい知識を、ぜひ身につけてください。

目次

体重計・体脂肪計の種類と特徴

ダイエットや健康管理のために体重や体脂肪率を測定する際、様々な種類の体重計や体脂肪計が使用されています。それぞれの特徴を理解することで、より適切な機器を選択し、測定結果を正しく解釈することができます。

一般的な体重計

最も基本的な体重計は、体重のみを測定する機器です。これらは比較的安価で、多くの家庭に普及しています。

特徴:

  • 単純な構造で故障が少ない
  • 測定が速く簡単
  • 体重以外の情報は得られない
  • デジタル式と機械式があり、デジタル式の方が精度が高い傾向にある

ただし、体重だけでは体組成の変化を正確に把握することは困難です。筋肉量の増加や脂肪の減少といった変化を捉えることができません。

体脂肪率計付き体重計(体組成計)

体重に加えて体脂肪率や筋肉量、基礎代謝量などを測定できる機器です。家庭用として広く普及しています。

特徴:

  • 生体電気インピーダンス法を用いて体組成を推定
  • 複数の指標を同時に測定可能
  • 価格帯は一般的な体重計より高いが、家庭用としては手頃
  • 測定条件により結果が変動しやすい

これらの体組成計は、体内に微弱な電流を流し、その抵抗値から体脂肪率などを算出します。ただし、体内の水分量や測定時の姿勢などによって結果が大きく変動する可能性があります。

高精度な体組成計(InBody等)

医療機関やフィットネスクラブなどで使用されるプロフェッショナル向けの高精度体組成計です。

特徴:

  • 複数の周波数を用いた精密な測定
  • 部位別の筋肉量や脂肪量も測定可能
  • 再現性が高く、経時変化の観察に適している
  • 高価格で、定期的なキャリブレーションが必要

InBodyなどの高精度体組成計は、複数の電極を用いて身体の各部位を個別に測定します。これにより、より詳細かつ正確な体組成分析が可能になります。ただし、これらの機器でも完全に正確な測定は困難であり、一定の誤差は避けられません。

いずれの機器を使用する場合も、単一の測定値に一喜一憂せず長期的な傾向を見ることが重要です。また、体重計や体脂肪計の数値だけでなく、体型の変化や体調の改善など、総合的に判断することをおすすめします。

体重計・体脂肪があてにならない理由

多くの人がダイエットの進捗を確認するために体重計や体脂肪率計を使用しますが、これらの数値は必ずしも正確な指標とは言えません。以下に、体重計と体脂肪率計があてにならない主な理由を説明します。

体重は脂肪の増減と一致しない

ダイエット中に体重が減少しても、それが必ずしも脂肪の減少を意味するわけではありません。体重の変化には、以下のような要因が影響します。

  • 脂肪量の変化
  • 筋肉量の変化
  • 体内水分量の変化
  • 胃腸内の内容物
  • ホルモンバランスの変動

例えば、筋トレを始めた直後は、筋肉量の増加と脂肪の減少が同時に起こり、体重に大きな変化が見られないことがあります。また、生理周期によっても体重は変動します。

さらに、人の体重は1日の中でも数キロ単位で変動することがあります。このため、単純に体重だけを見てダイエットの成否を判断するのは適切ではありません。

体脂肪を正確に測る手段はそもそも存在しない

市販の体組成計や、ジムなどに設置されている業務用の体組成計は、体脂肪率を推定するものです。しかし、これらの機器も100%正確ではありません

体脂肪率の測定に影響を与える要因:

  • 体内の水分量:測定前の水分摂取量や運動による発汗で変動
  • 食事のタイミング:食後は体内の水分量が増加し、結果が変わる
  • 皮膚の状態:乾燥や湿潤で電気抵抗が変化
  • 体温:体温の上昇で結果が変わる可能性がある

現在、完全に正確な体脂肪率の測定方法は、人体を筋肉と脂肪に分離して重量を測定する以外にはありません。これは生体では不可能な方法です。

日内変動の影響

体重と体脂肪率は1日の中でも大きく変動します。この日内変動は、以下の要因によって引き起こされます。

  • 食事と消化:食事の摂取と消化過程で体重が変動
  • 水分摂取と排泄:飲水量や発汗、排尿によって変化
  • 運動:激しい運動後は一時的に体重が減少
  • 睡眠:睡眠中の代謝活動や呼吸による水分損失

例えば、起床直後と就寝前では、同じ人でも体重に1~2kg、体脂肪率に1~2%の差が出ることも珍しくありません。

これらの理由から、体重計や体脂肪率計の数値はあくまで参考値として捉え、過度に一喜一憂しないことが重要です。代わりに、長期的な変化のトレンド体型の変化体調や体力の向上などを総合的に評価することで、より正確にダイエットの進捗を把握できます。

体組成計の数値が不正確な理由と仕組み

体組成計の測定方法

多くの一般家庭で使用されている体組成計は、生体インピーダンス法(Bioelectrical Impedance Analysis:BIA)という原理を用いて体脂肪率や筋肉量を推定しています。この方法の基本的な仕組みは以下の通りです。

  1. 微弱な電流を体内に流す
  2. 体組織による電気抵抗の差を測定する
    – 脂肪組織:電流をほとんど通さない
    – 筋肉や水分:電流を比較的よく通す
  3. 測定された電気抵抗値から体組成を推定する

重要なのは、体組成計が脂肪や筋肉の量を直接測定しているわけではないということです。実際には、「この身長・体重で、この程度の電気抵抗値なら、おそらく体脂肪率はこのくらいだろう」と推測しているに過ぎません。そのため、得られる数値は絶対的に正確なものではありません

測定値に誤差が出る要因

同じ体組成の人でも、様々な要因によって測定結果に誤差が生じる可能性があります。主な要因は以下の通り。

体組成計の性能差
  • 電流の強さや流す範囲によって精度が変わる
  • 高価な機種ほど精度が高い傾向にある
体内の水分量の変動
  • 水分摂取の前後
  • 食事の直後
  • 激しい運動後の発汗
  • 月経周期による体内水分量の変化(女性の場合)
体温・室温の影響
  • 体温や室温の変化で生体電気インピーダンスが変動する123
測定時の姿勢や接触状態
  • 電極との接触が不完全な場合
  • 測定時の姿勢が一定でない場合
個人の体質や体型の特徴
  • 筋肉の付き方や脂肪の分布が平均的なモデルと異なる場合

これらの要因により、同じ人でも測定環境や条件によって結果が異なることがあります。例えば、「自宅とジムで数字が違う」という経験をした方も多いのではないでしょうか。これは、使用機器や測定環境が全く異なるため、ある程度の誤差が生じるのは当然と言えます。

どの程度の誤差がでるのか

体組成計の誤差の程度は、個人差や測定条件によって大きく変わりますが、一般的には以下のような範囲が想定されます。

  • 通常の使用条件下: 2〜3%程度の誤差は珍しくありません
  • 条件が大きく異なる場合: 5%以上の誤差が出ることもあります

例えば、実際の体脂肪率が15%の人が、別の環境や条件で測定した際に20%と表示されたとしても、体組成計の特性を考えれば驚くべきことではありません。

重要なのは、体組成計の測定結果を絶対的な数値として捉えないことです。むしろ、以下のように活用することをお勧めします。

  1. 長期的な変化のトレンドを見る
  2. 測定条件をできるだけ一定に保つ
  3. 急激な変動に一喜一憂しない

体組成計は、自身の体組成の相対的な変化を把握するための便利なツールとして活用するのが最適です。絶対値にこだわりすぎず、健康的な生活習慣を維持することに注力することが、本当の意味での体型管理につながります。

正確な数値を出すための使い方

体組成計の数値が完全に正確ではないことは避けられませんが、適切な使用方法を実践することで、より信頼性の高いデータを得ることができます。ここでは、体重計や体脂肪率計からより正確な数値を得るための3つの重要なポイントをご紹介します。

平均値を取る

体重や体脂肪率は日々変動するため、単日の測定値ではなく、一定期間の平均値を比較することが重要です。

  • 1日単位の比較:昨日20%、今日18%
    → 減少しているのか、単なる誤差なのか判断が困難
  • 1週間単位の平均値比較:先週平均20%、今週平均18%
    → 減少している可能性が高い
  • 1ヶ月単位の平均値比較:先月平均20%、今月平均18%
    → 減少しているのはほぼ確実

理想的には1ヶ月単位で比較することで、最も信頼性の高い結果が得られます。しかし、多くの人にとっては努力の成果を確認するのに1ヶ月待つのは難しいでしょう。そのため、現実的には1〜2週間単位での平均値の比較をおすすめします。

計測条件をそろえる

測定の一貫性を保つことが、正確なデータを得るための鍵。以下の条件をできるだけそろえましょう。

同じ体組成計を使用する
  • 自宅とジムなど、異なる機器での測定を避ける
同じ服装で測定する
  • 服装の違いで重量と電気抵抗が変わる可能性がある
  • 理想的には下着一枚か全裸での測定
同じ時間帯に測定する
  • 寝起きと就寝前など、時間帯を変えない
同じコンディションで測定する
  • 運動の前後や食事の前後で数値が変動するため、どちらかに統一する

これらの条件をそろえることで、日々の変動要因を最小限に抑えることができます。

長期的なトレンドを見る

体重や体脂肪率の変化は、短期的には様々な要因で上下しますが、本当に意味のある変化は長期的なトレンドに現れます

  • 最低3ヶ月間のデータを収集し、トレンドを分析する
  • グラフ化してトレンドを可視化すると、変化が分かりやすい
  • 急激な変動に一喜一憂せず、全体的な傾向に注目する

例えば、体重が1週間で2kg減少しても、翌週に1.5kg増加することはよくあります。しかし、3ヶ月間のトレンドを見れば、緩やかな減少傾向が確認できるかもしれません。

長期的なトレンドを見ることで、一時的な変動に惑わされず、本質的な体組成の変化を把握することができます。これにより、ダイエットや健康管理のより正確な進捗状況を確認できるでしょう。

以上の3つのポイントを実践することで、体重計や体脂肪率計から得られるデータの信頼性が大幅に向上します。正確な数値を得ることで、より効果的な健康管理やダイエットが可能になるでしょう。

正確に測れる体組成計選び

前述の通り、完璧に正確な体組成の測定は困難です。しかし、より信頼性の高い測定結果を得るための体組成計選びは可能です。ここでは、体組成計の選び方について、測定精度と機能の観点から解説します。

測定精度をどこまで求めるか

体組成計を選ぶ際、まず考慮すべきは測定精度への要求度です。大きく分けて以下の2つの方向性があります。

  1. 高精度志向: 現在の技術で可能な限り正確な測定を求める
  2. 目安重視: 絶対的な数値よりも、変化の傾向を把握することを重視する

高精度志向の場合、各メーカーのフラッグシップモデルを検討するのが良いでしょう。これらは最新の測定技術を搭載し、より詳細なデータを提供します。ただし、価格は比較的高くなります。

目安重視の場合、中級モデルや基本モデルでも十分かもしれません。重要なのは、同じ機器で継続的に測定し、変化の傾向を追跡することです。

必要な機能はなにか

体組成計の機能は年々進化しており、多岐にわたります。主な機能は以下。

  • 体重測定: 全てのモデルに搭載
  • 体脂肪率測定: ほとんどのモデルに搭載
  • 筋肉量測定: 中級以上のモデルに搭載
  • 内臓脂肪レベル: 一部のモデルで測定可能
  • 基礎代謝量: 多くのモデルで推定値を提供
  • 体内年齢: 一部のモデルで算出
  • スマートフォン連携: データ管理や分析が可能

体組成計に精度を求めるかどうかの方向性が決まったら、あとは必要な機能をどこまで搭載するかで金額が上下します。利用環境や好みで必要な機能が変わるので、無駄な機能を省けるなら省いた方がコスパが良い。

最近の体組成計は多機能すぎでここで書くのは大変なのでタニタさんから画像引用。

機能の取捨選択例




全身の数値だけでなく、「右足が○○・左腕が△△」と部位別に数値が出るもの。必要性を感じるかどうかは個人の好み。







筋肉量の推定値を出せる。しかしさほど正確ではない。筋量を「見た目や筋力で測る人」にとっては不必要な機能。







骨量の推定値。ちなみに骨密度とは違うので骨折のしやすさがわかるわけでもない。理由があって骨量をはかる必要がある人しか使わない。







測定単位は200g(安価品)、100g(そこそこ)、50g(高級品)となる。一見細かく測れた方が良さそうだが、測定単位の細かさが必要なのは格闘技やアスリートで減量する人くらいだし、そもそも体組成計でなく計量器(はかり)を使う。







スマホに連携していた方がデータの管理が便利。ただ、自分でメモ帳に書いたり、別のフィットネス系アプリに手入力する人にとってはいらない機能。







複数人のデータを登録でき、乗っただけで「あ、お父さんですね」「次は、娘さんですね」と識別して計測してくれる機能。複数人で使うには便利だが、独り身には不必要な機能。




必要な機能を見極め、過剰な機能は省くことでコストパフォーマンスの高い選択ができます。

体組成計のメーカー・ブランド

信頼性の高い主要メーカーには、タニタオムロンエレコムなどがあります。各メーカーに特徴があるので、比較検討することをおすすめします。

  • タニタ: 体重計・体組成計分野での先駆者。信頼性が高く、幅広い製品ラインナップを持つ
  • オムロン: 医療機器メーカーとしての技術を活かした製品を展開
  • エレコム: コストパフォーマンスに優れた製品が多い

なお、InBodyのような業務用高精度機器は、一般家庭用としてはオーバースペックであり、高価格なため推奨しません。

購入する体組成計の選択肢

最新の体組成計市場では、様々な機能と価格帯の製品が提供されています。ここでは、異なるニーズに対応する3つの代表的なモデルを紹介します。

インボディ Dial H30 – 最新ハイエンドモデル

インボディ Dial H30は、業務用レベルの精度を家庭で実現した最新モデルです。(発売予定日は2024年9月16日)

旧商品:InBody Dial H20N

  • Wi-Fi搭載による測定結果の自動転送
  • 業務用InBodyと同等の測定方法を採用
  • 年齢・性別による統計補正なしで個人の実際の数値を測定
  • 豊富な測定項目:体重、体脂肪率、骨格筋量、内臓脂肪レベルなど
  • アプリでさらに詳細なデータ(体脂肪量、基礎代謝量、体型評価など)を表示
  • 測定時間約15秒の高速測定
  • 本体登録人数20人まで可能

このモデルは、精密な測定と詳細なデータ分析を求めるユーザーに最適です。特に、アスリートや健康管理に高い関心を持つ方におすすめです。

オムロン KRD-703T – 高機能ミドルレンジモデル

オムロン KRD-703Tは、高機能と使いやすさを両立したモデルです。

  • スマートフォン連動機能(OMRON connect対応)
  • 全身測定方式部位別測定が可能
  • デジタルディスプレイ搭載
  • コンパクトサイズ:幅30×奥行32.5×高さ5.1cm

このモデルは、詳細なデータを求めつつも、使いやすさも重視する方に適しています。部位別測定機能により、体の各部分の変化を細かく追跡できます。

タニタ BC-768 – コストパフォーマンスに優れたエントリーモデル

タニタ BC-768は、必要十分な機能を備えたエントリーモデルです。

  • スマートフォンでのデータ管理が可能
  • 立てかけ収納に対応し、省スペース
  • 液晶ディスプレイ搭載
  • コンパクトサイズ:約幅316×奥行217×高さ27mm
  • 軽量:本体重量約1.5kg
  • 電池式:単4乾電池×4本使用

このモデルは、基本的な体組成管理を行いたい方や、予算を抑えつつスマートフォン連携を求める方に最適です。

各モデルは、ユーザーのニーズと予算に応じて選択できます。高精度な測定と詳細なデータ分析を求める方はインボディ Dial H30を、バランスの取れた機能と使いやすさを求める方はオムロン KRD-703Tを、基本機能と手頃な価格を重視する方はタニタ BC-768を検討するとよいでしょう。どのモデルを選んでも、定期的な測定と記録が効果的な体組成管理の鍵となります。

体重計・体脂肪率計の正しい使い方と注意点

体重計や体脂肪率計の数値が完全に信頼できないからといって、これらのツールを全く使わないのは賢明ではありません。正しい使い方と注意点を押さえることで、より信頼性の高いデータを得ることができます。

測定のタイミングと頻度

体重や体脂肪率は日内変動が大きいため、測定のタイミングが重要です。

  • 毎日同じ時間に測定する:理想的には起床後、排泄後、食事前がベスト
  • 週に1-2回の測定が適切:毎日測ると細かな変動に一喜一憂しがち
  • 生理周期を考慮する:女性は生理前後で体重が変動しやすいため、同じタイミングで比較

測定時の姿勢と体の状態

正確な測定のためには、体の状態と姿勢にも注意が必要です。

  • 裸足で測定:靴下や衣服の重さで誤差が生じる
  • 姿勢を正す:まっすぐ立ち、視線は前方に
  • 体に金属を付けない:体脂肪率計使用時は腕時計やアクセサリーを外す
  • 激しい運動直後は避ける:体内水分量が変化し、誤差が大きくなる
  • アルコールや過度の塩分摂取後も避ける:体内の水分バランスが崩れるため

データの記録と分析方法

単発の測定値ではなく、長期的なトレンドを見ることが重要です。

  • 定期的に記録をつける:専用アプリやエクセルシートを活用
  • 移動平均を使う:例えば7日間の平均値を取ることで、日々の変動を平滑化
  • グラフ化して可視化:数値の変化を視覚的に捉えやすくする
  • 体重と体脂肪率を併せて分析:筋肉量の変化も考慮に入れる
  • 他の指標と合わせて評価:体型の写真や体型測定、体調の変化なども記録

これらの点に注意して測定と記録を行うことで、より信頼性の高いデータを得ることができます。ただし、体重計や体脂肪率計の数値に固執しすぎないことも大切です。全体的な健康状態や体型の変化、体調の改善なども含めて、総合的に進捗を判断することをおすすめします。

体重計以外で経過確認に使える指標

体重計や体脂肪率計の数値だけでなく、以下の指標を総合的に見ることで、より正確にダイエットや体型変化の進捗を確認できます。これらの指標を組み合わせることで、より包括的な評価が可能になります。

純粋に見た目の変化で判断する

見た目の変化は、体型改善の最も直接的な指標の一つです。

  • 男性の場合:筋肉のカットが見えてくる
  • 女性の場合:お腹や二の腕のたるみが減少

これらの変化が見られれば、皮下脂肪の減少が進んでいると判断できます。

  • 体重が変わらなくても、腹筋が割れてきている場合は皮下脂肪の減少を示唆
  • 二の腕の揺れが減少している場合も、ダイエットの進行を示す良い指標

姿見鏡を活用し、定期的に全身をチェックすることをおすすめします。

皮下脂肪の厚さを測る

皮下脂肪の厚さを物理的に測定することで、より客観的な評価が可能です。

  • 皮脂厚計(キャリパー)を使用して測定
  • 複数の部位(上腕、腹部、大腿部など)を測定し、経時変化を追跡
  • 測定には若干の技術が必要なため、同じ人が同じ条件で測定することが重要

メジャーで測ったサイズで判断する

体のサイズ測定は、シンプルかつ効果的な方法です。

  • 筋肉・脂肪が増加→サイズが大きくなる
  • 筋肉・脂肪が減少→サイズが小さくなる

特に注目すべき点:

  • 体重減少中に腕や太もも周りのサイズに変化がない場合:筋肉量を維持しながら内臓脂肪や水分が減少している可能性が高い
  • 体重増加中にサイズが小さくなっている場合:脂肪が減少し、筋肉が増加している可能性が高い(筋肉は脂肪より密度が高いため)

測定には片手で使える周囲測定テープが便利です。

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筋量の変化は筋力で見る

筋量と筋力はほぼ比例関係にあります。

  • 筋トレやエクササイズで扱える最大重量が増加→筋肉量も増加していると判断可能
  • 減量中に最大重量が維持されている→筋肉量の維持を示唆

注意:一時的な体調や疲労で筋力が変動することもあるため、長期的なトレンドを見ることが重要です。

定期的な写真撮影

写真は体型変化を視覚的に記録する最も効果的な方法の一つです。

  • 毎週または隔週で同じ条件(照明、姿勢、服装)で撮影
  • 正面、側面、背面の3方向から撮影
  • 写真を時系列で比較することで、微細な変化も把握可能

体型のバランス変化

全体的な体型のバランスの変化も重要な指標です。

  • ウエストとヒップの比率(WHR)の変化
  • 肩幅と腰幅のバランスの変化
  • 上半身と下半身のプロポーションの変化

これらの変化は、体脂肪の分布や筋肉の発達を反映します。

日常生活での変化(服のサイズ、体力の向上など)

日常生活での変化も見逃せない指標です。

  • 服のフィット感の変化:ゆるくなる、きつくなるなど
  • 体力の向上:階段を楽に上れる、長時間の活動が可能になるなど
  • 睡眠の質の改善
  • 肌の状態の向上

これらの変化は、体組成の改善や全体的な健康状態の向上を示唆します。

以上の指標を組み合わせて総合的に評価することで、体重計や体脂肪率計の数値以上に正確で有意義な進捗確認が可能になります。

よくある質問(FAQ)

体重は減っているのに体脂肪率が変わらないのはなぜ?

体重が減少しているにもかかわらず体脂肪率が変わらない理由は、筋肉量の減少が主な原因です。ダイエット中は脂肪だけでなく筋肉も失われやすく、体重に占める脂肪の割合(体脂肪率)が変化しないことがあります。また、体組成計の測定誤差も影響している可能性があります。

InBodyの結果はどこまで信頼できる?

InBodyは比較的高精度な体組成計として知られていますが、完全に正確というわけではありません。測定値には±3〜5%程度の誤差が生じる可能性があります。ただし、同じ条件で定期的に測定すれば、体組成の変化のトレンドを把握するのには有効です。

体重計の基礎代謝の数値は正確?

一般的な体重計に表示される基礎代謝の数値は、あくまで推定値です。年齢、性別、身長、体重などから計算された概算値であり、個人の筋肉量や活動レベルは考慮されていません。より正確な基礎代謝を知りたい場合は、専門機関での測定をおすすめします。

筋トレをしているのに体重が変わらない理由は?

筋トレを継続しているにもかかわらず体重が変化しない主な理由は、脂肪の減少と筋肉の増加が同時に起こっているためです。筋肉は脂肪よりも密度が高いため、同じ重さでもより小さな体積になります。このため、体重は変わらなくても体型が引き締まることがあります。

まとめ:体脂肪率があてにならない理由と正確な進捗確認方法

体重計や体脂肪率計の数値は、ダイエットや体型維持の進捗を測る上で便利なツールですが、完全に信頼できるものではありません。以下、主なポイント。

  1. 体重や体脂肪率の数値は変動しやすい:水分量、食事のタイミング、運動などの影響を受けます。
  2. 体組成計の測定には誤差がある:機器の精度や測定条件によって、結果が変わることがあります。
  3. 体重の変化は必ずしも脂肪量の変化を反映しない:筋肉量の増減も体重に影響します。
  4. 正確な進捗確認には複数の指標を用いる
    – 定期的な体重・体脂肪率の測定(同じ条件で)
    – メジャーによる体のサイズ測定
    – 定期的な写真撮影
    – 服のフィット感の変化
    – 体力や日常生活での変化の観察
  5. 長期的なトレンドを重視する:短期的な変動にとらわれず、長期的な変化を見ることが大切です。
  6. 見た目や体調の変化も重要な指標:数値だけでなく、体型の変化や体調の改善も成果の証です。

最後に、ダイエットや体型維持は健康的な生活習慣を長期的に続けることが最も重要です。体重計や体脂肪率計は参考程度に利用し、過度に気にしすぎないようにしましょう。自分の体と向き合い、総合的に判断しながら、無理のない範囲で継続的に取り組むことが、真の健康と理想の体型につながります。


脚注:

  1. 生体電気インピーダンス法を用いた身体組成の推定 (特集 身体組成の測定原理と応用) | Semantic Scholar ↩︎
  2. 231.皮下脂肪組織が生体電気インピーダンス法による下肢筋体積指標に及ぼす影響(形態・体構成) | Semantic Scholar ↩︎
  3. <総説>生体電気インピーダンス(BI)法 : 測定原理とフィールドへの応用:Q&Aによる解説 | Semantic Scholar ↩︎
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