「レジスタントプロテイン」という名前を聞いたことがあるでしょうか?おそらくまだあまりなじみがなく、知らないという方も多いのではないでしょうか。
名前から察すると「ホエイプロテイン」や「ソイプロテイン」のような筋力アップのために飲むプロテインの一種だと思われる方もいるかもしれませんが、レジスタントプロテインは一つの立派な「栄養成分」の名前です。
これは一体どのようなもので、どんな効果のある栄養成分なのかをご説明していきます。
レジスタントプロテインとは「食物繊維の働きをするたんぱく質」
レジスタントプロテインとは、英語では「Resistant Protein」と書きます。
それぞれの単語の意味で訳してしまうとちょっと意味が分からなくなってしまいますが、「消化されにくいたんぱく質」という意味になります。
これだけでは一体どんなものかまだ分かりませんね。
これのどこが食物繊維と同じ働きをするのかを理解するためにまず、簡単に食物繊維を説明します。
食物繊維の特徴
食物繊維は皆さん聞いたことのある栄養成分だと思います。
最近では五大栄養素(炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラル)に加え、第六の栄養素としても重要視されていますね。
食物繊維は「水溶性食物繊維(水に溶ける)」と「不溶性食物繊維(水に溶けない)」という二種類の食物繊維に分かれます。
そして、人間の消化酵素では消化することが出来ません。
ちなみに、意外と勘違いしている人が多いのですが、食物繊維は炭水化物の仲間に分類されます。
また、食物繊維の効果としては皆さんがご存知の腸内環境を整える働きや、生活習慣病の予防や改善に効果があります。
レジスタントプロテインの性質
では、その食物繊維と今回ご紹介するレジスタントプロテインのどこが似ているのかというと、その性質と効果が似ているのです。
まず性質ですが、上記説明の「人間の消化酵素では消化することが出来ない」という部分になります。
次に効果面ですが、レジスタントプロテインは「コレステロールの低下作用」があることが知られる他、「肥満抑制作用」などの効果があります。
レジスタントプロテインが体内の余分な脂肪やコレステロールを吸収して、体外に排出してくれるという効果があり、この効果が結果的に食物繊維の効果である「生活習慣病の予防や改善」と同じ効果をもたらしてくれます。
レジスタントプロテインが含まれる食品
「プロテイン」という名前がついているので、一般的にたんぱく質が含まれている食品である肉や魚、卵などの食品に含まれているのでは?と思いがちなのですが、残念ながらこういった食品には含まれていません。
酒粕(さけかす)
レジスタントプロテインは特定の食品に多く含まれています。
その代表例が「酒粕」です。
なんてどう使えばいいかもわからないし、そもそも酒粕って一体何なの?と思われる方が結構いるのではないでしょうか。
酒粕とは日本酒の製造工程で出る絞り粕のことです。
スーパーでも売っているのですが、見たことの無い人も多いかもしれませんね。
もちろん、酒粕単体で食べることは難しいですが、主に調味料として昆布や鰹節などの素材と組み合わせることで「うまみの相乗効果」を得ることができます。
レジスタントプロテインが豊富に含まれていることも含め、酒粕には多くの健康効果が期待できます。
まず、上記でも説明したレジスタントプロテインが持つ効果である生活習慣病の予防や改善効果はもちろんのこと、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)の活性促進効果によるガンの抑制効果やアレルギー体質の改善効果などが期待できます。
その他にも酒粕には豊富な栄養成分がたくさん含まれており、体内で作ることができない必須アミノ酸9種類が全て含まれていたり、しみやしわの予防になるナイアシン、妊娠中の胎児に重要な成分である葉酸など、様々な健康成分が含まれています。
「酒粕の効果がスゴイのは分かったけど、もっと身近な食品でレジスタンスプロテインが含まれているものはないの?」と思われた方。
大丈夫です、あります。
手軽に使えるのは大豆・きなこ
もっとも身近な食品は「大豆」でしょうか。
大豆に含まれているということは、納豆やきなこなどの大豆製品からも摂取することが出来るということになります。
大豆たんぱく質には以前からコレステロールの低下作用があることは知られていましたが、その要因の一つがレジスタントプロテインであるとされています。
また、大豆の中でも「高野豆腐(凍り豆腐)」に含まれているたんぱく質には、元の大豆たんぱく質よりもレジスタントプロテインの割合が多く、その結果として強いコレステロール調整作用があることが分かっています。
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蕎麦
その他にも、手っ取り早くレジスタントプロテインを摂取したいという方は「そば」にも同様に含まれています。
そばに含まれるたんぱく質が上記と同様の効果が得られることが分かっていますので、普段料理をしない方や簡単な調理でレジスタントプロテインを摂取したいという方は是非そばをおススメします。
レジスタントプロテインはダイエットにも効果的!
これまでに主に「健康面」でのメリットや効果ばかりを取り上げてきましたが、実はダイエットにもとっても効果的な成分であることも覚えておきましょう。
レジスタントプロテインには身体に取り込むことによって糖の吸収を遅らせ、血糖値の上昇を防ぐ効果があります。
血糖値の上昇を防ぐことが何故ダイエットにとって良いのか、ということがよく分からない方のために簡単に説明をします。
炭水化物などの糖質を体内に摂取すると、血中の血糖値が上がります。
血糖値が高くなれば糖尿病などの疾患につながりますので、血中の血糖値を下げるためにインスリンというホルモンが分泌されます。このインスリンは分泌量が多くなると脂肪合成が進みやすくなります。
つまり、脂肪がつきやすくなります。
そのためインスリンは別名で「肥満ホルモン」と呼ばれることもあります。
つまり、血糖値を上げないことがダイエットをする上ではとても大事なのです。
そのため、糖質や脂質の多い献立を作るときにレジスタントプロテインが含まれている食品を加えることで脂肪がつきにくくなるのです。
ただし、やはりこういった栄養成分の効果を実感するためには、たまに食べる程度ではなく毎日採り続けることで効果を発揮します。
レジスタントプロテインは加熱しても効果が下がることはないので、汁物や炒め物など、様々な料理にレジスタントプロテインの含まれる食品を加える工夫をしてみてください。
レジスタントプロテイン配合のサプリメント
レジスタントプロテインをサプリメントで摂取したい場合、一応あるにはあります。
ただレジスタントプロテインと記載があるものはごくわずか。
単純に酒粕や高野豆腐・大豆などレジスタントプロテインを多く含む食品を粉末状にしてあるだけのものだったりします。
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こんなものでしょうか。
なかなか食品で摂取するのは難しいという人はサプリでどうぞ。
レジスタントプロテインのまとめ
レジスタントプロテインが一体どんなもので、どんな効果があるものかということはお分かり頂けたでしょうか。
加齢とともに健康面での意識は強くなっていきますし、基礎代謝は下がっていくので若いころよりも食事制限や運動をしても中々思ったように痩せることは難しくなっていきます。
ですので、普段の食事から血糖値をコントロールしながら、太りにくい体を作るための栄養素を選んで、食べながら痩せていくことが大切になります。
そういった意味で、しっかりと食べて健康に配慮しながらもダイエットにも効果的なレジスタントプロテインを摂るために、早速今回の記事で紹介した食品を食卓に取り入れてみてはいかがでしょうか。