カロリー収支とは?計算方法と活用例・痩せないときの対処法

カロリー収支は、ボディメイクの成功を左右する重要な概念です。この理論を理解することで、筋トレやダイエットの効果を最大化できます。カロリー収支とは、摂取カロリーと消費カロリーの差のことを指します。自身の基礎代謝量総消費カロリーを把握し、カロリー収支をコントロールすることで、体重の増減を意図的に管理できるようになります。

カロリー収支理論を知らずにボディメイクを行うと、「たまたま太った」「たまたま痩せた」という偶然に左右されがちです。しかし、この理論を習得すれば、自分の体型を科学的にコントロールすることが可能になります。

本記事では、基礎代謝量の計算方法総消費カロリーの算出方法、そしてカロリー収支の実践的な活用例を詳しく解説します。これらの知識は、一度習得すれば生涯にわたって役立つ貴重な情報です。単なるダイエット方法の羅列ではなく、カロリー収支という普遍的な原理を理解することこそが、長期的な体型管理の鍵となるのです。

目次

カロリー収支とは

カロリー収支の定義

カロリー収支は、摂取カロリー総消費カロリーの差を表す概念です。数式で表すと以下のようになります:

カロリー収支 = 摂取カロリー – 総消費カロリー

この概念は、体重管理や健康維持において重要な役割を果たします。厚生労働省では「エネルギー収支バランス」という用語も使用されますが、意味は同じです。

カロリー収支の重要性

カロリー収支の理解は、体重管理ボディコンポジションの変更に不可欠です:

  1. 体重増加: カロリー収支がプラスの場合、余剰エネルギーが体内に蓄積され、体重が増加します。
  2. 体重減少: カロリー収支がマイナスの場合、体は不足したエネルギーを体内の貯蔵(主に脂肪)から補うため、体重が減少します。
  3. 体組成の変化: 体重変化は筋肉脂肪の両方に影響します。トレーニング内容や摂取カロリーの内訳(PFCバランス)によって、筋肉や脂肪の増減が決まります。
  4. 目的別管理:
  • 筋肉増量: カロリー収支をプラスに保ちながら適切なトレーニングを行います。
  • ダイエット: カロリー収支をマイナスにコントロールします。

カロリー収支の概念を理解し、適切に管理することで、効果的な体重コントロール健康的な体づくりが可能になります。ただし、極端なカロリー制限や過剰摂取は健康リスクを伴うため、バランスの取れたアプローチが重要です。

カロリー収支の計算方法

カロリー収支を正確に把握することは、効果的なダイエットや筋トレの基礎となります。ここでは、基礎代謝(BMR)と総消費カロリー(TDEE)の計算方法、そしてカロリー収支の具体的な計算例を紹介します。

基礎代謝(BMR)の計算

基礎代謝(BMR)は、生命維持に必要な最低限のエネルギーを指します。BMRの計算には、ハリス・ベネディクト方程式がよく使われます:

  • 男性: BMR = 66 + (13.7 × 体重kg) + (5 × 身長cm) – (6.8 × 年齢)
  • 女性: BMR = 655 + (9.6 × 体重kg) + (1.8 × 身長cm) – (4.7 × 年齢)
その他の方程式
ハリス・ベネディクト(改良版)

男性:88.362+(13.397×体重kg)+(4.799×身長cm)−(5.677×年齢)
女性:447.593+(9.247×体重kg)+(3.098×身長cm)−(4.33×年齢)

ハリス・ベネディクト(日本人改良版)

男性:66.4730+13.7516×体重kg+5.0033×身長cm-6.7550×年齢
女性:655.0955+9.5634×体重kg+1.8496×身長cm-4.6756×年齢

国立健康・栄養研究所の式(Ganpuleの式)

男性:(0.0481×体重kg+0.0234×身長cm-0.0138×年齢-0.4235)×1,000/4.186
女性:(0.0481×体重kg+0.0234×身長cm-0.0138×年齢-0.9708)×1,000/4.186

国立健康・栄養研究所の式(2007)

((0.1238+(0.0481×体重kg)+(0.0234×身長cm)-(0.0138×年齢)-性別*1))×1000/4.186
男性=0.5473×1
女性=0.5473×2

Schofield の式

18-29歳男性:(0.063×W+2.896)×1,000/4.186
18-29歳女性:(0.062×W+2.036)×1,000/4.186
30-59歳男性:(0.048×W+3.653)×1,000/4.186
30-59歳女性:(0.034×W+3.538)×1,000/4.186
60歳以上男性:(0.049×W+2.459)×1,000/4.186
60歳以上女性:(0.038×W+2.755)×1,000/4.186

W:体重(kg)、H:身長(cm)、A:年齢(歳)

FAO/WHO/UNUの式

18-29歳男性:(64.4×W-113.0×H/100+3,000)/4.186
18-29歳女性:(55.6×W+1,397.4×H/100+148)/4.186
30-59歳男性:(47.2×W+66.9×H/100+3,769)/4.186
30-59歳女性:(36.4×W+104.6×H/100+3,619)/4.186
60歳以上男性:(36.8×W+4,719.5×H/100-4,481)/4.186
60歳以上女性:(38.5×W+2,665.2×H/100-1,264)/4.186

W:体重(kg)、H:身長(cm)、A:年齢(歳)

The Mifflin, M. D., St Jeor formula

男性:10×体重(kg)+6.25×身長(cm)−5×年齢+5
女性:10×体重(kg)+6.25×身長(cm)−5×年齢−161

国立スポーツ科学センター(JISS)

基礎代謝量=28.5×除脂肪体重
除脂肪体重=体重-脂肪量
脂肪量=体重×体脂肪率

Katch-McArdle式

370 + (21.6 × 除脂肪体重 kg)

ただし、個人差があるため、これはあくまで概算値であることに注意してください。

スクロールできます
項目15-17歳18-29歳30-49歳50-64歳65-74歳
参照体重
(男性)
59.764.568.168.065.0
基礎代謝
(男性)
1,6101,5301,5301,4801,480
参照体重
(女性)
51.950.353.053.852.1
基礎代謝
(女性)
1,3101,1101,1601,1101,080
厚労省 日本人の食事摂取基準 (2020年版)より作成

注:参照体重の単位はkg、基礎代謝の単位はkcalです。

ざっくりですが、標準体型の人であれば「男性は約1500kcal前後」「女性は1200kcal前後」と考えて良い。

総消費カロリー(TDEE)の計算

TDEEは、BMRに日常的な活動量を加えた値です。計算式は以下の通りです:

TDEE = BMR × 活動係数

活動係数は以下のように分類されます:

  • 1.2: ほとんど運動しない
  • 1.375: 軽い運動(週1-3回)
  • 1.55: 中程度の運動(週3-5回)
  • 1.725: 活発な運動(週6-7回)
  • 1.9: 非常に活発な運動(1日2回の激しい運動)

カロリー収支の計算例

30歳、身長170cm、体重70kgの男性で、週3回ジムに通っている場合を例に計算してみましょう。

  1. BMRの計算:
    BMR = 66 + (13.7 × 70) + (5 × 170) – (6.8 × 30) = 1,741 kcal
  2. TDEEの計算:
    TDEE = 1,741 × 1.55 = 2,699 kcal
  3. カロリー収支の計算:
  • 摂取カロリーが2,500 kcalの場合:
    カロリー収支 = 2,500 – 2,699 = -199 kcal(減量傾向)
  • 摂取カロリーが3,000 kcalの場合:
    カロリー収支 = 3,000 – 2,699 = +301 kcal(増量傾向)

このように、摂取カロリーと消費カロリーの差がカロリー収支となり、これを管理することで体重のコントロールが可能になります。ただし、個人差や日々の変動があるため、長期的な傾向を見ることが重要です。

カロリー収支の活用例

ダイエット時のカロリー収支

ダイエット時は、カロリー収支をマイナスに保つことが重要です。例えば、30歳、身長170cm、体重70kgの人が2ヶ月で5kg減量したい場合:

  1. 基礎代謝量(BMR)を計算:約1555kcal
  2. 総消費カロリー(TDEE)を計算:約2332kcal(低活動レベルの場合)
  3. 1日のカロリー収支目標を設定:-600kcal
  4. 摂取カロリーを計算:2332kcal – 600kcal = 1732kcal

この場合、1日約1700kcalの摂取で2ヶ月間継続すれば、目標の5kg減量が達成できます。

注意点

  • 健康的な減量ペースは週0.5〜1kg程度
  • 最低限の摂取カロリーは基礎代謝量(この例では1555kcal)を下回らないこと

筋トレ・バルクアップ時のカロリー収支

筋肉量を増やしたい場合は、カロリー収支をプラスに設定します:

  • 目安:総消費カロリー + 10〜20% または +500kcal
  • 例:総消費カロリーが2332kcalの場合、摂取目標は約2565〜2798kcal

ポイント

  • 急激な増量は避け、徐々にカロリーを増やす
  • タンパク質摂取を増やし、筋肉の成長を促進
  • 定期的に体組成を確認し、脂肪の過剰増加を防ぐ

維持期のカロリー収支

目標体重に達した後の維持期では、カロリー収支をゼロに近づけます:

  1. 新しい体重でのTDEEを計算
  2. 摂取カロリーをTDEEと同程度に設定
  3. 定期的に体重をモニタリングし、微調整

維持のコツ

  • 食事記録を継続し、カロリー管理を習慣化
  • 定期的な運動を取り入れ、基礎代謝を維持
  • ストレス管理十分な睡眠で、ホルモンバランスを整える

どの段階でも、個人の反応を観察し、必要に応じてカロリー収支を調整することが成功の鍵です。

カロリー収支がマイナスなのに痩せない場合の対処法

考えられる原因

  1. 正確な記録の不足: 摂取カロリーを過小評価したり、消費カロリーを過大評価している可能性があります。
  2. 代謝の適応: 長期的なカロリー制限により、体が低カロリーに適応し、代謝が遅くなっている可能性があります。
  3. 水分の貯留: ストレスや塩分摂取により、体内に水分が貯まっている可能性があります。
  4. 筋肉量の減少: 極端なカロリー制限により、脂肪だけでなく筋肉も減少し、基礎代謝が低下している可能性があります。
  5. ホルモンバランスの乱れ: ストレスや睡眠不足により、コルチゾールなどのホルモンバランスが崩れている可能性があります。

具体的な改善策

  1. 正確な記録:
  • 食事記録アプリを使用し、すべての摂取物を記録する。
  • 体重計や体組成計を使用し、定期的に測定する。
  1. カロリーサイクリング:
  • 週に1-2日、通常より多めのカロリーを摂取し、代謝の低下を防ぐ。
  1. 水分と塩分管理:
  • 十分な水分摂取を心がける。
  • 塩分摂取を控えめにし、水分貯留を防ぐ。
  1. 筋トレの導入:
  • 週2-3回のレジスタンストレーニングを行い、筋肉量を維持する。
  1. ストレス管理と睡眠改善:
  • 瞑想やヨガなどでストレスを軽減する。
  • 7-8時間の質の良い睡眠を確保する。
  1. 食事内容の見直し:
  • タンパク質摂取量を増やし、代謝を上げる。
  • 食物繊維を多く含む食品を取り入れ、満腹感を維持する。
  1. 非運動性熱産生(NEAT)の増加:
  • 日常生活での活動量を増やす(階段使用、立ち仕事など)。
  1. 定期的な計画の見直し:
  • 2-4週間ごとに進捗を評価し、必要に応じて計画を調整する。

これらの改善策を組み合わせることで、カロリー収支がマイナスでも痩せない状況を打破し、健康的かつ持続可能なダイエットを実現できる可能性が高まります。

カロリー収支の管理方法

おすすめの管理アプリ

カロリー収支を効果的に管理するには、専用のアプリを活用するのが最も便利です。おすすめのアプリには以下のようなものがあります:

  1. MyFitnessPal: 食品データベースが豊富で、バーコードスキャン機能も搭載。
  2. あすけん: 日本の食品に特化しており、レシピ機能も充実。
  3. LoseIt!: 直感的なインターフェースで使いやすく、目標設定機能が優れています。
MyFitnessPal: 健康管理

MyFitnessPal: 健康管理

MyFitnessPal, Inc.無料posted withアプリーチ

あすけん ダイエット・ヘルスケアのカロリー計算や体重管理に

あすけん ダイエット・ヘルスケアのカロリー計算や体重管理に

asken inc. (Tokyo)無料posted withアプリーチ

これらのアプリを使うことで、日々の摂取カロリーと消費カロリーを簡単に記録でき、カロリー収支の管理が容易になります。

記録の重要性と方法

カロリー収支の管理において、記録をつけることは非常に重要です。以下の点を意識して記録しましょう:

  1. 摂取カロリー: 食事や間食のカロリーを漏らさず記録。
  2. 消費カロリー: 基礎代謝と運動による消費カロリーを計算。
  3. 体重変化: 毎日同じ条件で測定し、トレンドを把握。
  4. 体型の変化: 定期的に写真を撮るか、採寸して記録。
  5. 体調や気分: カロリー管理が心身に与える影響を観察。

記録は「原因」と「結果」を明確にすることで、ダイエットや体型管理の成功確率を高めます。失敗した場合でも、その原因を特定し、次回の改善につなげることができます。

記録を見てカロリー収支を調整する方法

カロリー収支の記録を基に、以下のように調整を行います:

  1. 目標設定: まず、2週間〜1ヶ月の期間で目標を立てます。
  2. 実行: 設定したカロリー収支を守り、厳密に記録します。
  3. 評価: 期間終了後、結果を評価します。
  • 体重が減少した場合: 計画が適切だったため、継続します。
  • 体重が変化しなかった場合: カロリー収支をさらにマイナスに調整します。
    • 例: 1日の摂取カロリーを100kcal減らす、または運動量を増やす。
  1. 調整: 評価結果に基づいて、次の期間の計画を立てます。
  2. 繰り返し: このPDCAサイクルを繰り返し、最適なカロリー収支を見つけます。

注意点として、極端なカロリー制限は避け、健康的な範囲内で調整することが重要です。また、体重以外の指標(体型の変化、体調など)も考慮に入れて総合的に判断しましょう。

定期的な記録と適切な調整により、自分に最適なカロリー収支を見つけ、持続可能な体型管理が可能になります。

カロリーコントロールのコツ・注意点

現実的な減量ペース

健康的でリスクの少ない減量ペースの目安は以下の通りです:

  • 1週間0.5〜1kg
  • 1ヶ月2〜4kg
  • 2ヶ月4〜8kg

減量ペースは個人の体格や体脂肪率によって異なります:

  • 大柄な人体脂肪率が高い人:より多くの脂肪を減らせる
  • 小柄な人体脂肪率が低い人:減量幅は小さくなる

例:

  • 体脂肪率10%台前半の人:週に約200gの減量
  • 体脂肪率20%以上(女性27%以上)の人:週に約1kgの減量

最低限の摂取カロリー

ダイエット中でも、最低限「基礎代謝量分のカロリー」は摂取してください。

摂取カロリーの適切な範囲

  • 下限:基礎代謝量
  • 上限:総エネルギー消費量

例:

  • 基礎代謝量:1555kcal
  • 総エネルギー消費量:2332kcal
  • 適切な摂取カロリー範囲:1555〜2332kcal

摂取カロリーが少なすぎるリスク

  1. 体調不良
  2. 筋肉量の減少

カロリー収支マイナス1000の影響と注意点

1日のカロリー収支をマイナス1000kcalにすることは推奨されません。理由は以下の通りです:

  1. 急激な体重減少:週に約1kg以上の減量ペースとなり、健康的な範囲を超える
  2. 栄養不足のリスク:必要な栄養素を十分に摂取できない可能性がある
  3. 筋肉量の減少:体タンパク質が分解され、筋肉が失われやすくなる
  4. 代謝の低下:体が飢餓状態と認識し、エネルギー消費を抑える
  5. 持続可能性の低さ:厳しい制限は長期的に続けることが困難

代替案

  • カロリー収支をマイナス500kcal程度に抑える
  • 緩やかな減量を心がけ、持続可能な食習慣を築く
  • 運動を取り入れることで、極端な食事制限を避けつつカロリー収支をコントロール

健康的で持続可能なダイエットを心がけ、無理のないペースで減量を進めることが重要です。

カロリー収支の目安

カロリー収支の目安は、個人の年齢性別活動レベルによって大きく異なります。適切なカロリー収支を知ることで、効果的なダイエット体重管理が可能になります。

年齢別・性別のカロリー収支目安

年齢と性別によるカロリー収支の目安は以下の通りです:

  • 20代男性:2,500〜3,000 kcal/日
  • 20代女性:2,000〜2,500 kcal/日
  • 30代男性:2,300〜2,800 kcal/日
  • 30代女性:1,900〜2,400 kcal/日
  • 40代男性:2,200〜2,700 kcal/日
  • 40代女性:1,800〜2,300 kcal/日
  • 50代以上男性:2,000〜2,500 kcal/日
  • 50代以上女性:1,700〜2,200 kcal/日

これらの数値は平均的な体格中程度の活動量を想定しています。個人の体格生活スタイルによって実際の必要カロリーは変動します。

活動レベル別のカロリー収支目安

活動レベルによるカロリー収支の目安は、基礎代謝量(BMR)活動係数を掛けて算出します:

  1. 座り仕事中心の低活動:BMR × 1.2
  • デスクワーク中心で運動習慣がない人
  1. 軽い活動:BMR × 1.375
  • 週1〜3回の軽い運動をする人
  1. 中程度の活動:BMR × 1.55
  • 週3〜5回の中強度の運動をする人
  1. 活発な活動:BMR × 1.725
  • 毎日運動する、または肉体労働が多い人
  1. 非常に活発な活動:BMR × 1.9
  • アスリートや非常に激しい肉体労働をする人

例えば、30歳男性基礎代謝量が1,500 kcal中程度の活動の場合:
1,500 × 1.55 = 2,325 kcal/日が目安となります。

ダイエット時は、この目安から10〜20%程度カロリーを減らすのが一般的です。逆に増量時10〜20%程度カロリーを増やします。

個人に合った正確なカロリー収支を知るには、専門家に相談するか、カロリー管理アプリを活用するのが効果的です。また、定期的に体重体組成をチェックし、必要に応じて調整することが大切です。

FAQ

カロリー収支をマイナスにしても痩せない理由は?

カロリー収支をマイナスにしても痩せない理由には、以下のようなものがあります:

  1. 測定の誤差: 摂取カロリーや消費カロリーの計算が不正確な可能性があります。
  2. 代謝の適応: 長期的なカロリー制限により、体が省エネモードに入ることがあります。
  3. 水分保持: ストレスや塩分摂取により、一時的に体内の水分量が増加する場合があります。
  4. 筋肉の増加: 特に運動を始めた場合、脂肪が減っても筋肉が増えて体重が変わらないことがあります。
  5. ホルモンバランス: 甲状腺機能やコルチゾールなどのホルモンの乱れが影響する可能性があります。

重要なのは、短期的な変動に一喜一憂せず、長期的な傾向を見ることです。

基礎代謝が1700kcalの場合、どのようにカロリー管理をすべきか?

基礎代謝が1700kcalの場合、以下のようにカロリー管理を行うことをおすすめします:

総消費カロリー(TDEE)を計算

活動レベルを考慮し、TDEEを算出します(例:軽度の活動なら1700 × 1.375 = 2337.5kcal)。

目標に応じてカロリー設定
  • 減量: TDEEから300-500kcal減(例:1837-2037kcal)
  • 増量: TDEEに300-500kcal増(例:2637-2837kcal)
  • 維持: TDEEとほぼ同等(例:2337kcal前後)
タンパク質摂取を意識

体重1kgあたり1.6-2.2gを目安に摂取。

期的な見直し

2-4週間ごとに進捗を確認し、必要に応じて調整。

MyFitnessPalやあすけんの使い方のコツは?

これらのアプリを効果的に使うコツは以下の通りです:

  1. 毎日記録する習慣をつける: 食事の直後に記録するのが理想的。
  2. 正確な計量: できるだけ食品スケールを使用し、目安量ではなく実際の量を記録。
  3. よく食べる食品をお気に入りに登録: 頻繁に食べるものを素早く入力できるようにする。
  4. レシピ機能を活用: 自作の料理を登録し、再利用しやすくする。
  5. 栄養バランスを確認: カロリーだけでなく、タンパク質、脂質、炭水化物のバランスも意識。
  6. 運動記録も忘れずに: 消費カロリーも適切に記録し、全体のバランスを把握。
PFCバランスの設定方法は?

PFCバランス(タンパク質・脂質・炭水化物の比率)の設定方法は以下の通りです:

目標に応じたバランスを選択
  • 一般的な健康維持: P:F:C = 15-20% : 20-30% : 50-65%
  • 減量: P:F:C = 30-35% : 20-25% : 40-50%
  • 筋肉増量: P:F:C = 25-30% : 20-25% : 45-55%
1日の総カロリーを決定

上記FAQの方法で算出。

各栄養素のカロリーを計算

選択したバランスに基づいて計算。

グラム数に換算
  • タンパク質: 1g = 4kcal
  • 脂質: 1g = 9kcal
  • 炭水化物: 1g = 4kcal
アプリで設定

MyFitnessPalやあすけんで、算出したPFCバランスを設定。

TDEEの活動レベルはどのように判断すればよいか?

TDEEの活動レベルは、以下のガイドラインを参考に判断できます

  1. 座りがちな生活(1.2): デスクワークが中心で、意図的な運動をほとんどしない。
  2. 軽い活動(1.375): 週1-3回の軽い運動や、立ち仕事が多い職業。
  3. 中程度の活動(1.55): 週3-5回の中程度の運動や、活動的な職業。
  4. 活発な活動(1.725): 週5-7回のハードな運動や、肉体労働が多い職業。
  5. 非常に活発な活動(1.9): 毎日のハードな運動と肉体労働、またはアスリート。

自分の日常生活と運動習慣を客観的に評価し、最も近い活動レベルを選択します。迷った場合は、控えめな方を選択し、徐々に調整していくのが安全です。

カロリー収支の基本と活用:健康的な体づくりへの道

カロリー収支の理解と管理は、健康的な体重コントロールの基礎となります。この記事で学んだ主要ポイントを振り返りましょう:

  1. 基礎代謝(BMR)と総消費カロリー(TDEE)の計算は、個人のエネルギー需要を把握する上で重要です。
  2. カロリー収支は、摂取カロリーと消費カロリーのバランスを示し、体重管理の鍵となります。
  3. 体重増減を目指す場合、基礎代謝量とカロリー収支の知識が基本となります。
  4. 計算値はあくまで推測値です。実際の食事と体重を記録し、自分に合った数値に調整することが大切です。
  5. より詳細なボディメイクを目指す場合は、PFCバランス(タンパク質、脂質、炭水化物の比率)の知識も重要になります。
  6. 継続的な記録と調整が、長期的な成功の鍵です。
  7. 健康的な減量ペースを守り、最低限必要な摂取カロリーを確保することで、安全で持続可能なダイエットが可能です。
  8. アプリやツールを活用することで、カロリー管理をより簡単かつ正確に行えます。

カロリー収支の理解は、健康的な体づくりの第一歩です。この知識を基に、個人の目標に合わせた食事計画と運動習慣を組み立てていくことで、理想の体型に近づくことができるでしょう。さらなる進歩を目指す方は、PFCバランスの最適化にも挑戦してみてください。

健康的で持続可能な体づくりは、一朝一夕には実現しません。しかし、カロリー収支の基本を押さえ、日々の習慣に取り入れることで、確実に目標に近づくことができます。あなたの健康的な体づくりの旅が、実り多きものとなることを願っています。


30歳 身長170cm 体重70kg の中肉中背
デスクワークのため活動レベルは低い
5キロのダイエットがしたい

例:2ヶ月で5キロ痩せる
  • STEP1
    基礎代謝・総消費カロリーを計算

    基礎代謝量 = 1555kcal
    総エネルギー消費量 = 2332kcal
    計算ツールはこちら

  • STEP2
    目標体重(減量kg)までのカロリーを計算

    5.0kg × 7200kcal = 36000kcal
    36000kcalマイナスにすれば5キロ減る
    ※脂肪1kg = 約7200kcal

  • STEP3
    減量期間を決めて日割り

    2ヶ月で5kg減らしたい
    36000 ÷ 60 = 600kcal/日
    1日600kcalマイナスを60日で5キロ減る

  • STEP4
    カロリー収支の式に代入

    (摂取カロリー) − (総消費カロリー) = カロリー収支
    (摂取カロリー) − (2332kcal) = (−600kcal)
    (摂取カロリー) = 1732kcal
    1日約1700kcalで生活すれば60日で5キロ減る

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