アスリートが着用し、今では一般のスポーツ愛好者にも広がってきたコンプレッションウェア。
コンプレッションウェアと言われてピンと来ない人も、「プロ野球選手がよく着ている、ピタッとしたアンダーシャツ」と言えば、「あれね!」と気付く人も多いのではないでしょうか。
野球に限らずアスリートが身につけているピタッとしたスキンコンシャスなウェアの多くは、「コンプレッションウェア」と呼ばれるものです。
着たことがない人からすれば、ピタッとしていて窮屈そうとか、動きが制限されないのとか疑問が湧いて来そうですが、ご心配なく。
コンプレッションウェアは、アスリートのパフォーマンスを引き出す、様々なメリットを持ちます。
いくつかタイプがあり、メーカーによっても設計に違いがあります。
ここでは、コンプレッションウェアの一般的な機能や効果を説明した上で、代表的なブランドの特徴とオススメポイントをご紹介します。
コンプレッションウェアの効果
コンプレッションウェアの機能と効果
「コンプレッション」とは直訳すれば「圧迫」。
つまりコンプレッションウェアとは「身体に圧をかける服」ということになります。
身体に適度な圧をかけることで、動作の中で生じる筋肉の余計な振動を抑制することができます。
それにより無駄なエネルギーの発散を抑えることができるのです。
疲労の軽減はもちろんですが、運動効率も向上しパフォーマンスアップにつながります。
運動時の筋肉のムダな振動を抑え身体への負担が軽減することで、筋肉や関節を適正な動作に導くことができ、効率的な動きが可能になるのです。
用途別で選べるコンプレッションウェア
このような効果が期待できるコンプレッションウェアですが、用途に応じて使い分けができるように、さまざまなアイテムがあります。
- 上半身用のシャツタイプ(半袖・長袖)
女性用ブラトップなど。 - 下半身用のタイツ(ロングタイプ、ハーフタイプ)やゲイター。
- 熱を逃すタイプと、身体を冷やさないタイプ。
- 吸汗速乾性を持つもの。
どのタイプも縫い目などが肌に与えるストレスが内容に素材や設計にこだわりがあります。
パフォーマンスアップのためにも快適性は欠かせません。
目的や用途、使用する環境に合わせて選択したいものです。
スポーツシーン以外でも使えるコンプレッションウェア
血流を促進するタイプなどは、スポーツだけでなく長時間の移動の際にも役立ちます。
遠征に出かけるスポーツ選手などは、飛行機の中などでコンプレッションウェアを着用してコンデションに配慮しています。
一般の生活の中でも、立ち仕事や、同じ姿勢で座りっぱなしなどの場合に、気になる下肢のむくみ予防に効果的です。
むくみを放置すると冷えやセルライトを助長してしまうので、美脚を叶えたい女性にもコンプレッションウェアはオススメです。
女性にも嬉しいコンプレッションウェア
ランニングをはじめ、アウトドアで行うスポーツの紫外線対策にもコンプレッションウェアは有効です。
ロングトップスとロングタイツを着用すれば、動きやすさを妨げずに、紫外線を避けることができます。
紫外線対策をうたった商品もあるので、ぜひチェックしてみてください。
またコンプレッションウェアは、温度調節や速乾性に配慮し快適性を実現したものも多いので、肌の露出を抑えながらスポーツを楽しみたい女性の必須アイテムです。
コンプレッションウェアの種類
コンプレッションウェアには、大きくわけて3タイプあります。
- ボディフィットタイプ
- 段階着圧タイプ
- テーピングタイプ
それぞれについて説明します.
ボディフィットタイプ
筋肉のムダな揺れを抑え、身体への負担を軽減するボディフィットタイプは最もベーシックなコンプレッションウェアです。
先に述べたように、身体にピタッと密着して圧をかけることで、筋肉の余計な振動を抑えて、身体への負担を軽減します。
例えば走るという動作を行うとき、筋肉は走るための働きをするとともに、走ることで揺れる筋肉の動きを止めようとする働きも行います。
コンプレッションウェアが揺れを止めることで、「走る」というパフォーマンスの妨げになる働きから筋肉を解放することができるというわけです。
この揺れを抑えるというサポートをコンプレッションウェアが担うことで、身体を前へ進めるための仕事に筋肉を集中させ、無駄なエネルギーの消費や身体への負担を軽減するという効果が期待されるのです。
段階的着圧タイプ
ボディフィットタイプをいわば進化させ機能を加えたのが段階的着圧タイプです。
段階着圧は、血流の促進に着眼し設計されています。
心臓がポンプになって送り出された血液は、静脈弁と運動による脚の筋肉の収縮運動が筋ポンプとして働くことで、心臓方向に押し上げられ再び心臓に戻ります。
ですが、長時間の運動やハードな運動で筋肉の働きが落ちると、血液を心臓に戻すポンプ作用が弱まり、血液の循環が悪くなってしまいます。
段階着圧タイプは、この血流を戻すための筋肉の働きをサポートする目的で設計されています。
例えばロングタイツの場合、足首の圧力を強く、ふくらはぎ、ふとももと心臓に近づくほど緩くなる構造になっていて、「第2の心臓」と呼ばれるふくらはぎのサポートを行う構造になっています。
テーピングタイプ
いわゆるテーピングが持つ働きをウェアに搭載したタイプです。
動かないように固定してケガを予防するというテーピング理論を取り入れたものと、動きやすさを追求したタイプがあります。
例えば、タイツの場合、膝を硬い素材で覆って固めることで怪我を予防する設計のものがある一方で、ひざの上は固定しないで自由な動きを確保しつつ、膝頭の両横と下の部分を安定させたタイプがあります。
血液の循環を良好にするタイプは、日々のリカバリーや足のむくみ軽減にも役立ちます。
また、テーピングの原理を応用して身体や関節の動きをサポートしてくれるタイプは、関節や筋肉にかかる無駄な力を制御するため、着用することでダメージ対策にもつながるのです。
コンプレッションウェアおすすめブランド5選
安定の人気を誇るコンプレッションウェアのブランドをご紹介します。
Under Armour(アンダーアーマー)
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コンプレッションウェアをブームにした火付け役が「Under Armourアンダーアーマー」です。
「セカンドスキン(第二の皮膚)」のように身体に密着することで身体をドライで快適に、動きやすいものにするというコンセプトで商品開発が行われています。
独自の「4Wayストレッチ」素材を採用し、スポーツ中のあらゆる動きに対応する設計です。
夏場に最適なアンダーアーマーの「HEATGEAR(ヒートギア)」シリーズは、独自の「モイスチャートランスポートシステム」によって汗をかくと同時に素早く吸収し、外部に放出して快適さを実現します。
https://twitter.com/hideoji0812/status/1126082399148728320また、冬場のトレーニングやスポーツには保温性に優れた「COLDGEAR(コールドギア)」シリーズがあります。
メンズ、レディースだけでなく、子供向けのラインナップもあります。
SKINS(スキンズ)
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「SKINSスキンズ」は、オーストラリアのブランドです。
「着るサプリメント」というコンセプトのもと実施された研究開発には、NASAの研究者をはじめとする多くの専門家が参加しました。
地元オーストラリア理学治療協会(APA)から唯一、コンプレッションアンダーウェアの承認を受けています。
スキンズ製品の最大の特徴は、「動作段階的着圧」です。
運動中の身体に対して、単にきつく締めるのではなく、部位ごとに最適かつ正確な圧力を与え、それぞれの位置に適したレベルの着圧を与えます。
https://twitter.com/SHOW19931121/status/1089665199789924353A400シリーズは、激しい運動にも耐えることができる、スキンズのトップモデルです。
RY400シリーズは運動時ではなく、オフタイムにおける着用をコンセプトに開発されたコンプレッションウェアです。
CW-X(ワコール)
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女性用下着を中心に展開する日本の「ワコール」が手掛けるコンプレッションウェアブランドが「CW-X」です。
イチロー選手が起用されていますね。
CW-Xは「テーピング原理をタイツに組み込む」という発想から生まれました。
ワコールの人間科学研究所の研究開発をベースに、「テーピング原理の応用」と、長年培ってきた女性用下着の「ガードルの技術」を組み合わせ、人気アイテムのスポーツタイツが誕生しました。
CW-Xは「ジェネレーターモデル」「スタビライクスモデル」「エキスパートモデル」「スタイフリーボトム」といったモデルを展開しています。
https://twitter.com/maika_1209_/status/1126811910781845505またCW-Xのスポーツブラは女性注目のアイテムです。
ワコール人間科学研究所において、50年近くにわたり女性のバストを研究してきた結果得られた膨大なデータに基づき、スポーツ時特有の動きに合わせたスポーツブラが開発されました。
このスポーツブラにも「テーピング理論」が生かされています。
バイオギア(ミズノ)
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日本のスポーツ用品メーカー「ミズノ」が手掛けるコンプレッションウェアシリーズが「バイオギア(BG)」です。
バイオギアには、ミズノが独自に開発した動的機能裁断法「Dynamotion Fit(ダイナモーションフィット)」が採用されています。
最大の特徴は、体幹を安定させるために骨盤をやや前傾させる設計が採用されている点にあります。
スポーツパフォーマンス向上に欠かせない体幹の安定を図るために、ミズノBGでは骨盤サポート機能を搭載し、スポーツシーンにおける体幹の安定をサポートしてくれます。
シリーズごとに見ると、「BG3000R」は動きやすさ重視、「BG5000」は適度なサポートを実現、「BG9000」はしっかりサポートとともに軽量化、「BG8000Ⅱ」は最も強いサポート力を持ちます。
C3fit(ゴールドウイン)
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C3fitは、「ゴールドウイン」が手掛けるコンプレッションウェアブランドです。
その特徴は、運動機能を向上させるために実現した独自の段階着圧設計にあります。
C3fitの代表的なアイテムであ る「インスピレーションロングタイツ」は、一般医療機器ウェアです。
足首から大腿部にかけて段階的に着圧を緩める段階着圧設計を採用することで、筋ポンプの動きが促され、着用するだけで静脈血及びリンパの流れを促します。
血流やリンパの循環を高めることで疲労物質や余分な水分が排出され、身体の隅々にまで酸素や水分を巡らせる効果が期待できます。
また、人間工学に基づく立体的なパターンを採用、UVプロテクト効果やあたりの少ないシームなどにより、肌ストレシスの軽減や快適性が実現されています。
Skins、cwx、c3fitをそれぞれ幾つか使ってて、体にあってるのは、c3fitかなぁ、、、Skinsはコンプレッションが継続してていい感じではあるが、少しストレスが強い。
— Hiroshi TSUGE (@Hiyohiyo) March 30, 2019
コンプレッションウェアの効果まとめ
多くのトップアスリートがコンプレッションウェアを着用していることが、その有効性を何よりも証明しているでしょう。
コンプレッションウェアに何を求めるか、自分の用途を明確にして、数ある素晴らしい商品の中から、最もフィットする一枚を選んでください!