
空腹時の筋トレについて「脂肪燃焼効果が高い」という話を聞く一方で、「筋肉が分解される」「低血糖で危険」という不安の声もあります。
結論から言うと、空腹状態での運動は脂肪の利用を急性的に増やすことが研究で確認されています。ただし、それが長期的な体脂肪の減少に直結するかは未証明です。一方で、一般的な朝食前の空腹(8〜12時間程度)では筋肉分解が進む心配はほぼありません。
ネット上では「空腹時筋トレで脂肪燃焼が約20%アップ」という数値が広まっていますが、これは原著論文に存在しない数値です。この記事では、研究データを正確に読み解きながら、空腹時筋トレの実際の効果とリスク、安全に取り入れるための実践方法を解説します。
空腹時の筋トレで脂肪燃焼が増える仕組み
空腹時に運動すると脂肪の利用が増えること自体は、生理学的に確認されたメカニズムです。ただし「どれくらい増えるか」「それが痩せることにつながるか」については、正確な理解が必要です。

グリコーゲン不足が脂肪利用を促すメカニズム
体は通常、血糖 → 筋肉・肝臓のグリコーゲン → 体脂肪の順序でエネルギーを使います。食事から時間が経った空腹状態では最初の2つが減少しているため、体脂肪がエネルギー源として動員されやすくなります。
このとき、脂肪を分解するための酵素が活性化します。
🔬 空腹時に活性が高まる主な脂肪分解酵素:
- HSL(ホルモン感受性リパーゼ) — 脂肪細胞内の中性脂肪を分解する
- ATGL(脂肪トリグリセリドリパーゼ) — 脂肪組織からの脂肪酸放出を促進する
- PDK4(ピルビン酸脱水素酵素キナーゼ4) — 糖質代謝から脂質代謝への切り替えを促す
これらの酵素の働きにより、脂肪細胞に蓄えられた中性脂肪が遊離脂肪酸とグリセロールに分解され、筋肉などの組織でエネルギーとして利用されます。特に朝の起床後は一晩の絶食で体内の糖質が最も少ない状態のため、この脂肪利用のシフトが起こりやすいタイミングです。
「脂肪燃焼が約20%増える」説の正確な読み方

「空腹時の運動で脂肪燃焼が約20%増える」という数値はネット上で広く引用されていますが、この数値は原著論文に記載されていません。
この説の根拠とされるのは、2016年にBritish Journal of Nutritionに掲載されたVieira et al.のメタアナリシスです。この研究は27件の研究(対象者273名)を統合し、空腹時と食後の有酸素運動における脂肪酸化を比較しました。
📊 原著論文の実際の結論:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主要結果 | 空腹時の脂肪酸化が食後より有意に高い |
| 数値 | 加重平均差 −3.08g(95%CI: −5.38〜−0.79) |
| カロリー換算 | 約27kcal相当の差 |
| 著者の注意書き | 「急性効果のみ。長期の体脂肪減少への外挿は不適切」 |
原著が報告しているのは**絶対量の差(グラム)**であって、パーセンテージではありません。「約20%」「約48%」「約70%」など、二次情報源ではそれぞれ異なる数値が流布していますが、いずれも原著の結論とは異なる形に変換されたものです。
なお、この研究は「2017年」と紹介されることがありますが、実際のオンライン公開は2016年9月です。
運動中の脂肪酸化が増えても体脂肪が減るとは限らない理由
空腹時の運動で運動中の脂肪酸化が増えることと、実際に体脂肪が減ることは別の問題です。急性の代謝マーカーの変化が長期の体組成変化に直結するとは限りません。
この点について、複数の後続研究が明確な結論を出しています。
Hackett & Hagstromのメタアナリシス(2017年、5研究・96名)では、空腹時運動と食後運動を比較した結果、体重・体組成への効果は「trivial(ごくわずか)」と結論されました。群間の効果量はES≈0.02〜0.05で、統計的な有意差はありません。
Schoenfeld et al.のRCT(2014年)でも、低カロリー食下での空腹時有酸素運動と食後有酸素運動の間に、脂肪減少・除脂肪量ともに有意な差はなかったと報告されています。
つまり、空腹時に運動すれば運動中の脂肪利用は増えますが、1日全体のカロリー収支の方が体脂肪の増減に対してはるかに大きな影響力を持っているということです。脂肪を減らしたい場合は、空腹か食後かよりも、カロリー収支の管理を優先すべきでしょう。
空腹時の筋トレで筋肉分解は本当に起こるのか
「空腹時に筋トレすると筋肉が分解される」という懸念は根強くありますが、研究データを見ると、一般的な朝食前の空腹状態では筋肉分解を過度に心配する必要はないことがわかります。
24時間以内の空腹では筋分解は最小限にとどまる

筋肉分解が短時間の空腹で本当に起こるのかを直接検証した研究があります。Cross et al.(2018年、British Journal of Nutrition)は11名を対象に24時間の絶食を実施し、筋原線維分解のマーカーである尿中3-メチルヒスチジン:クレアチニン比を測定しました。結果は「絶食によって影響を受けなかった」というもので、24時間絶食しても筋原線維の分解は有意に増加しなかったことが示されています。
体がエネルギー不足に陥った場合、グリコーゲンと体脂肪を優先的に消費し、筋タンパク質の分解は最後の手段として位置づけています。一般的な朝食前の筋トレ(8〜12時間の空腹)は、この「最後の手段」が発動する段階にはほど遠い状態です。
なお、「6〜16時間は安全」といった具体的な時間窓を定めた単一の研究は存在しません。上記の結論は、Cross et al.(2018年)の24時間データや後述のVendelbo et al.(2014年)の72時間データなど、複数の研究から導かれた妥当な一般化です。
有酸素運動で筋肉が落ちるかどうかも気になる方は多いですが、こちらも条件次第であって一概に「落ちる」とは言えません。
筋肉分解が実際に進む条件と時間帯
では、筋分解が明確に進むのはどのような条件でしょうか。
Vendelbo et al.(2014年、PLoS One)は健常男性8名を対象に72時間の絶食を実施しました。その結果、前腕の正味フェニルアラニン放出が約100%増加し、明確な筋分解が確認されました。ただし、これは主にタンパク質合成の低下によるもので、分解フラックス自体やユビキチンリガーゼの発現は変化していませんでした。
こうした研究から、筋分解が明確に加速するのは概ね24〜72時間以降であり、グリコーゲンの枯渇とケトン代謝への移行と一致するタイミングです。
⚠️ 筋分解が進みやすい条件:
- 極端な空腹状態が24時間以上続いている
- 長時間の高強度運動(60分以上の激しいトレーニング)を空腹で行う
- 慢性的な栄養不足(タンパク質・総カロリーの不足)が続いている
- 過度なストレスや睡眠不足が重なっている
これらの条件が複合的に重なった場合にリスクが高まるのであって、朝食前の30分程度のトレーニング単体で筋肉が分解される可能性は低いといえます。
実際、間欠的断食(16:8等)とレジスタンストレーニングを組み合わせた研究のメタアナリシス(Keenan et al. 2020年)でも、8研究中の除脂肪量は「概ね維持された」と結論されています。16時間断食の設計法と組み合わせる場合も、筋トレとの両立は可能です。
成長ホルモンの脂肪分解効果はどこまで期待できるか
空腹時筋トレの話題で「成長ホルモンの分泌が増えて脂肪燃焼が加速する」という説がよく紹介されます。この主張はどこまで正確でしょうか。
成長ホルモン(GH)が脂肪分解を促進すること自体は、確立した生理学的事実です。Møller & Jørgensen(2009年、Endocrine Reviews)のレビューでは、GH投与後1〜2時間で遊離脂肪酸が有意に増加し、絶食時にはGHが脂肪酸の放出と酸化を促してグルコースとタンパク質の酸化を抑えると報告されています。
ただし、運動時のGH上昇が実際の体脂肪減少にどれほど寄与するかは未証明です。Sabag et al.(2021年、Frontiers in Physiology)は、運動によるGH反応と体脂肪減少の関係を「潜在的媒介因子(Potential Mediator)」と表現しており、因果関係は確立されていないと明言しています。
運動による脂肪分解の主要な駆動因子はカテコールアミン(アドレナリン・ノルアドレナリン)、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)、インスリンの低下であり、成長ホルモンは補助的な役割にとどまります。「空腹時筋トレ → GH増加 → 脂肪がどんどん燃える」という単純な因果連鎖は成立しないと考えるべきです。
空腹時筋トレのメリットとデメリット
ここまでの研究データを踏まえて、空腹時筋トレの実際のメリットとデメリットを整理します。

期待できるメリット — 脂肪利用の促進・血糖値改善・時間効率
空腹時筋トレには、以下のような利点があります。
✅ 主なメリット:
- 脂肪利用の促進 — 急性の脂肪酸化は増える。長期的な体脂肪減少は未証明だが、脂肪をエネルギー源として使う代謝スイッチが入りやすい
- インスリン感受性の向上 — 筋トレにより筋肉へのブドウ糖取り込みが増加し、血糖値の安定に寄与する。空腹時運動では食後血糖値スパイクの抑制も期待できる
- 時間効率の良さ — 食事の準備や消化を待つ時間が不要。起床後すぐにトレーニングを開始できる
- 朝型の生活リズム定着 — 朝の運動習慣は日中のエネルギーレベルや睡眠の質の改善にもつながる
注意すべきデメリット — 低血糖・パフォーマンス低下
一方で、空腹状態での運動には明確なリスクもあります。
⚠️ 主なデメリット:
- 低血糖のリスク — 冷や汗、動悸、めまい、手の震え、集中力低下といった症状が起こりうる
- トレーニング強度の低下 — 糖質がエネルギー源として不足するため、高強度の追い込みが難しくなる
- 持続性の限界 — 長時間(60分以上)の運動には適さない
空腹時筋トレが向く人と向かない人
空腹時筋トレはすべての人に適しているわけではありません。自分の状況に合うかを判断する基準は以下の通りです。
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| 軽〜中強度のトレーニングを行う人 | 高強度の筋トレで追い込みたい人 |
| 朝の時間を有効活用したい人 | 低血糖を起こしやすい体質の人 |
| 短時間(20〜30分)で済ませたい人 | 60分以上のトレーニングを行う人 |
| 脂肪の代謝切り替えを体感したい人 | 血糖コントロールに関する治療中の人 |
繰り返しになりますが、空腹時筋トレと食後筋トレの間に、長期的な体脂肪減少の差は確認されていません。空腹時筋トレは有効な選択肢の一つですが、食後のトレーニングの方が自分のリズムに合うなら、それで問題ありません。
空腹時筋トレを安全に行う実践方法と低血糖対策
空腹時筋トレを取り入れる場合、低血糖の予防と筋肉の保護の2つが安全管理の柱になります。

トレーニングの強度・時間・頻度の上限目安
空腹状態では体内の糖質が限られているため、通常のトレーニングよりも強度と時間を抑えるのが基本です。
📋 空腹時筋トレの推奨設定:
| 項目 | 推奨内容 |
|---|---|
| 強度 | 中強度以下(最大心拍数の60〜70%) |
| 時間 | 20〜30分以内 |
| 頻度 | 週3〜4回 |
| 避けるべき内容 | 高強度の追い込み、60分以上のセッション |
空腹時にHIIT(高強度インターバルトレーニング)を行う場合は、通常より強度を下げた「軽めのHIIT」にとどめてください。運動時間30秒+休息30秒を8〜10セット、総時間15〜20分程度が目安です。
トレーニングの時間帯選びについては、筋トレに最適な時間帯の比較と選び方も参考にしてください。
低血糖を防ぐ事前準備と症状が出たときの対処法
空腹時筋トレで最も注意すべきリスクは低血糖です。予防と対処の両方を把握しておくことが重要です。
🛡️ トレーニング前の予防策:
- 水分補給 — 起床後にコップ1杯(200ml)の水を摂取する。脱水は低血糖リスクを高める
- 軽い糖質摂取(不安がある場合) — バナナ半分(約50kcal)、蜂蜜小さじ1杯(約20kcal)、薄めたスポーツドリンク100ml程度。いずれも消化が早く、脂肪利用を大きく妨げない
- 糖質の摂取目安 — 総カロリー50kcal以下に抑えれば、脂肪酸化への影響は限定的
🚨 低血糖の症状が出た場合の対処手順:
- 直ちにトレーニングを中止し、安全な場所で休む
- 糖質を素早く摂取 — ブドウ糖10g、清涼飲料水150〜200ml、または砂糖20gのいずれか
- 15分間安静にして症状の改善を待つ
- 改善しない場合は追加で同量の糖質を摂取する
低血糖の主な症状は、冷や汗・動悸・手の震え・めまい・頭痛・集中力の低下です。これらの症状を繰り返し経験する場合は、空腹時筋トレを中止して食後のトレーニングに切り替えてください。
BCAA・EAAを活用した筋肉保護の方法
空腹時筋トレで筋肉分解をさらに抑えたい場合は、BCAA(分岐鎖アミノ酸)やEAA(必須アミノ酸)の活用が効果的です。アミノ酸サプリメントは消化の過程を経ずに血中アミノ酸濃度を素早く高められるため、空腹時のトレーニングとの相性が良い補給手段です。
| 項目 | BCAA | EAA |
|---|---|---|
| 含有アミノ酸 | 3種類(バリン・ロイシン・イソロイシン) | 9種類(必須アミノ酸すべて) |
| 主な効果 | 筋肉分解の抑制 | 筋肉の分解抑制+合成促進 |
| 吸収時間 | 約30分 | 約30分 |
| コスト | 比較的安い | BCAAより高め |
| 推奨摂取量 | 5〜10g | 8〜15g |
📝 使い分けの判断基準:
- コスト重視・軽い運動 → BCAA 5〜10g
- 筋肉合成効果も重視・本格的な筋トレ → EAA 8〜15g
- 摂取タイミング — いずれもトレーニング30分前に摂取する
一度に大量摂取すると下痢や腹痛を引き起こす場合があるため、少量ずつ分割して摂取してください。BCAAとEAAの詳しい効果や飲み方は、BCAAの効果と筋トレでの正しい飲み方とEAAの一日の摂取量と効果で解説しています。
空腹時筋トレ前後の栄養補給と食事計画
空腹時筋トレの効果を安全に引き出すには、トレーニング前後の栄養補給と1日の食事計画を一体で考えることが重要です。

トレーニング前 — 完全空腹か軽い補給かの判断基準
空腹時筋トレの「空腹」をどの程度徹底するかは、個人の体調と目標によって判断します。
| 完全空腹が適する条件 | 軽い補給を推奨する条件 |
|---|---|
| トレーニング時間が20〜30分程度 | 30分以上のトレーニングを予定 |
| 軽〜中強度の運動内容 | 高強度の筋トレを行う予定 |
| 低血糖の経験がない | 過去に低血糖症状を経験している |
| 脂肪の代謝切り替えを最大化したい | パフォーマンスの維持を優先したい |
軽い補給を選ぶ場合は、消化が早く総カロリー50kcal以下の食品が適しています。バナナ半分、プロテイン10g程度を溶かした水、またはBCAA/EAAがよい選択肢です。
トレーニング前後の食事の順番とタイミングの全体像は、筋トレと食事とプロテインの理想的な順番・タイミングで詳しく解説しています。
トレーニング後の栄養補給 — 総タンパク質摂取量が重要
トレーニング後の栄養補給について、かつては「トレーニング後30分以内がゴールデンタイム」と広く言われていました。しかし現在の研究では、筋タンパク質合成への影響はトレーニング直後の厳密なタイミングよりも、1日を通じた総タンパク質摂取量の方が大きいことがわかっています。
ただし、空腹時筋トレの場合は少し事情が異なります。一晩の絶食後にトレーニングを行っているため、すでに長時間の栄養摂取がない状態です。この場合はトレーニング後にあまり時間を置かず栄養補給を行うことには合理性があります。
🍽️ トレーニング後の栄養補給の目安:
- タンパク質 — 20〜30g(ホエイプロテイン、卵、鶏胸肉など)
- 炭水化物 — 20〜40g(バナナ1本、おにぎり1個など)
- 水分 — トレーニング中の発汗量に応じて十分に補給
プロテインと炭水化物を組み合わせると、インスリンの分泌が促進されてアミノ酸の筋肉への取り込みが向上します。
🍳 具体的な組み合わせ例:
- プロテインシェイク+バナナ
- 鶏胸肉+玄米おにぎり
- ギリシャヨーグルト+蜂蜜+ベリー
- 卵2個+食パン1枚
朝の空腹時筋トレを組み込む1日の食事スケジュール

空腹時筋トレを継続するには、1日の食事計画全体で必要な栄養素を確保することが重要です。朝の空腹時筋トレを想定した食事スケジュールの例を示します。
| 時間 | 内容 | 目的 |
|---|---|---|
| 6:00 | BCAA/EAA(5〜10g)+水200ml | 筋肉保護・水分補給 |
| 6:15〜6:45 | 空腹時筋トレ(30分以内) | 脂肪利用の促進 |
| 7:00 | 朝食(タンパク質20〜30g+炭水化物) | 筋肉の回復・エネルギー補充 |
| 12:00 | 昼食(タンパク質30g以上を含むバランスの良い食事) | 1日の栄養基盤 |
| 19:00 | 夕食(タンパク質40〜50g+複合炭水化物) | 翌朝のトレーニングに備える |
夕食で意識したいのは、翌朝のトレーニングに備えた筋グリコーゲンの補充です。玄米や全粒粉パンなどの複合炭水化物を適量摂取し、タンパク質は魚・肉・卵などから40〜50gを確保します。適度な脂質(アボカド、ナッツ、青魚など)もホルモン合成に必要です。
1日全体のタンパク質・脂質・炭水化物のバランスについては、PFCバランスの計算方法と目的別の最適比率を参照してください。
目的別の空腹時筋トレメニュー
空腹時筋トレの効果を引き出すには、目的に合った強度と種目の選択が重要です。「脂肪燃焼重視」「筋肉維持+脂肪減少」「初心者」の3つのパターンを紹介します。

脂肪燃焼重視 — 朝食前の中強度有酸素運動
脂肪の代謝切り替えを最大限に活用するなら、中強度の有酸素運動が最もリスクが低く続けやすい方法です。
📋 朝食前ウォーキングの推奨設定:
| 項目 | 推奨内容 |
|---|---|
| 時間 | 20〜30分 |
| 強度 | 最大心拍数の60〜70%(軽く汗ばむ程度、会話ができる速度) |
| 頻度 | 週3〜4回 |
| 心拍数の目安 | (220 − 年齢)× 0.6〜0.7 |
体幹トレーニングとの組み合わせも効果的です。
🏋️ 有酸素+体幹の組み合わせ例(約30分):
- ウォーミングアップ(軽いウォーキング5分)
- 体幹トレーニング(プランク30秒×3、サイドプランク左右20秒×2、クランチ15回×3)
- ウォーキング(15分)
- クールダウン(ストレッチ5分)
ウォーキングの効果や距離の目安については、4000歩は何キロ?距離・時間の目安とウォーキング効果も参考にしてください。
筋肉を維持しながら脂肪を落とす短時間トレーニング
筋肉量を維持しながら脂肪を減らしたい場合は、コンパウンド種目(複数の関節・筋群を使う運動)を中心にした短時間トレーニングが効果的です。空腹時にはBCAA/EAAの事前摂取を前提とします。
📋 サーキット形式のコンパウンドメニュー:
| 種目名 | 主要筋群 | セット×回数 |
|---|---|---|
| スクワット | 大腿四頭筋・大殿筋 | 3×8〜12回 |
| プッシュアップ | 胸筋・三頭筋・肩 | 3×8〜15回 |
| ベントオーバーロウ | 広背筋・僧帽筋 | 3×8〜12回 |
| オーバーヘッドプレス | 肩・三頭筋 | 3×6〜10回 |
4種目を1種目ずつ連続して行い、1周終了後に1〜2分休息。これを3周繰り返します。セット間の休息を短く(30〜60秒)設定することで、筋力維持と脂肪利用を同時に促進できます。総時間はウォーミングアップ込みで約25〜30分です。
HIITとの組み合わせについては、筋トレとHIITの順番・組み合わせの使い分けも参考にしてください。
初心者が安全に始める4週間の段階的プラン
空腹時筋トレが初めての場合は、軽い運動から段階的に強度を上げていくことで、低血糖のリスクを避けながら安全に習慣化できます。
📋 4週間の段階的プログラム:
| 週 | 運動時間 | 運動強度 | 頻度 | 主な内容 |
|---|---|---|---|---|
| 1週目 | 10分 | 低強度 | 週3回 | ウォーキングのみ |
| 2週目 | 15分 | 低〜中強度 | 週3〜4回 | ウォーキング+軽いストレッチ |
| 3週目 | 20分 | 中強度 | 週4回 | ウォーキング+自重トレーニング |
| 4週目 | 25分 | 中強度 | 週4〜5回 | 有酸素運動+体幹トレーニング |
✅ 次の週に進む判断基準:
- 前週のメニューを問題なく完了できた
- 運動後の疲労が翌日に残らなかった
- 低血糖症状が出ていない
- 体調不良やケガがない
上記を満たさない場合は、同じ週のメニューをもう1週繰り返してください。体調に不安がある日は無理をせず休息を取り、完璧主義よりも「継続すること自体」を目標にする方が長期的な効果につながります。
まとめ

空腹時の筋トレは、運動中の脂肪酸化を急性的に増やすことが研究で確認されています。ただし「脂肪燃焼が約20%アップ」という広まっている数値は原著論文に記載のない二次的な脚色であり、長期的な体脂肪減少においては空腹時と食後で有意な差がないとする後続研究が複数あります。
一方、「空腹だと筋肉が分解される」という不安についても、24時間以内の空腹では筋原線維の分解は最小限にとどまることが示されています。安全に実践するためのポイントは、中強度以下・30分以内のトレーニングに抑えること、BCAA・EAAで筋肉を保護すること、低血糖の症状が出たら直ちに中止して糖質を摂取することの3つです。
空腹時筋トレは万能な手法ではなく、体脂肪を減らすにはカロリー収支の管理が最も重要です。自分の生活リズムや体調に合った方を選ぶことが、結局のところ最も確実な成果につながります。
よくある質問(FAQ)
- 空腹で筋トレしても筋肉は分解されない?
-
朝食前(8〜12時間の空腹)程度なら筋分解はほぼ進みません。24時間の絶食でも筋原線維分解マーカーは有意に変化しなかったという研究データがあります。ただし24〜72時間を超える絶食や、慢性的な栄養不足との複合ではリスクが高まります。
- 空腹時筋トレと食後筋トレ、どちらが脂肪燃焼に効果的?
-
運動中の脂肪酸化は空腹時の方がやや高いですが、長期的な体脂肪の減少量に有意な差はないとする複数のメタアナリシスがあります。脂肪減少にはカロリー収支の管理が最も重要で、空腹か食後かよりも継続できる方を選ぶのが現実的です。
- 空腹時筋トレ前にBCAAとEAAどちらを飲むべき?
-
コスト重視ならBCAA(5〜10g)、筋肉合成効果も重視するならEAA(8〜15g)が適しています。いずれもトレーニング30分前に摂取してください。
- 朝食前の空腹時筋トレは何分以内がよい?
-
中強度以下で20〜30分以内が目安です。60分以上や高強度の追い込みは低血糖やパフォーマンス低下のリスクが高まるため避けてください。
- 空腹時の筋トレ中に低血糖の症状が出たらどうする?
-
直ちにトレーニングを中止し、ブドウ糖10gまたは清涼飲料水150〜200mlで糖質を補給してください。15分安静にして改善を待ち、改善しなければ追加で同量の糖質を摂取します。症状を繰り返す場合は空腹時筋トレを中止し食後トレーニングに切り替えてください。
- トレーニング後30分以内に必ず栄養補給しないとダメ?
-
「30分以内のゴールデンタイム」は過去に強調されてきた考え方ですが、現在の研究では1日を通じた総タンパク質摂取量の方が筋合成への影響が大きいとされています。ただし空腹時筋トレの場合は長時間の絶食後であるため、早めの栄養補給には合理性があります。
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参考サイト・出典:
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- Hackett DA, Hagstrom AD. Effect of Overnight Fasted Exercise on Weight Loss and Body Composition: A Systematic Review and Meta-Analysis. Journal of Functional Morphology and Kinesiology. 2017;2(4):43.
- Schoenfeld BJ, et al. Body composition changes associated with fasted versus non-fasted aerobic exercise. Journal of the International Society of Sports Nutrition. 2014;11:54.
- Cross AG, et al. β-Hydroxy β-methylbutyrate free acid alters cortisol responses, but not myofibrillar proteolysis, during a 24-h fast. British Journal of Nutrition. 2018;119(5):517–526.
- Vendelbo MH, et al. Fasting Increases Human Skeletal Muscle Net Phenylalanine Release and This Is Associated with Decreased mTOR Signaling. PLoS One. 2014;9(7):e102031.
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- Sabag A, Chang D, Johnson NA. Growth Hormone as a Potential Mediator of Aerobic Exercise-Induced Reductions in Visceral Adipose Tissue. Frontiers in Physiology. 2021;12:623570.

