プッシュアップバーの効果と回数の目安|腕立て伏せとの違い・向き・グリップの選び方

自宅で腕立て伏せを続けているのに、手首が痛くて途中でやめてしまう。フォームを工夫しても改善せず、「このまま続けて効果があるのか」と不安になっていませんか。

床に手をついた腕立て伏せには、構造的な限界が2つあります。手首を反らせた状態で体重を支えるため関節に負担が集中すること、そして胸が床に触れた時点で動作が止まり、可動域が制限されることです。プッシュアップバーは、この2つを同時に解決します。

この記事では、プッシュアップバーの効果、レベル別の回数の目安、ハの字・逆ハの字といった向きの違い、グリップの太さで変わる筋肉の使われ方、失敗しない製品の選び方までを解説します。結論から言えば、プッシュアップバーは1,500円程度の投資で腕立て伏せの質を大きく変えられる、費用対効果の高い器具です。100円ショップなら330円から手に入ります。

目次

プッシュアップバーの効果|腕立て伏せとの違いと鍛えられる筋肉

プッシュアップバーは、床から手を浮かせた状態で腕立て伏せを行うための器具です。効果の中心は「可動域」と「手首」の2点に集約されます。

床に手をつく腕立て伏せとの違い

同じ腕立て伏せでも、手のつき方が変わると動作の質が変わります。

項目床に手をつく腕立て伏せプッシュアップバー
手首の状態反らせた(背屈)状態で体重を支えるものを握る自然な角度に近い
動作の終点胸が床に触れた時点で止まる手の位置より深く沈められる
手のあたり方手のひら全体で床を押す握ることで力が分散する
手幅・角度の調整手を置き直す必要があるバーの配置で変えられる

とくに大きいのは動作の終点です。床では胸が床に当たった時点で終わりますが、バーを使えばバーの高さの分だけ深く体を沈められます。市販品の高さは10.9〜16cm程度で、標準的な据置型は11〜15cmに収まります。

可動域が広がると大胸筋への刺激がどう変わるか

深く沈められることの意味は、単に動く範囲が広がることではありません。大胸筋が伸ばされた位置まで負荷をかけられることにあります。

筋肥大と可動域の関係を扱った研究では、可動域をフルに使う方法と、筋が伸ばされた位置に限定して動かす方法を比べると、後者が同等以上の結果を示した報告もあります。つまり「フルレンジだから効く」というより、筋肉が長く伸びた状態で張力がかかる局面をつくれることが重要という整理になります。

床の腕立て伏せは、大胸筋がもっとも伸びる直前で動作が止まってしまいます。バーはその止まっていた区間を使えるようにする器具だと考えると、動作中に意識すべき点も明確になります。胸がバーの高さより下がるところまで沈め、そこで反動を使わずに切り返すことです。

手首の負担が軽くなる理由

床に手をついた腕立て伏せでは、手首を反らせた状態(背屈)で体重を支えます。手首の機能的な可動域を調べた研究では、日常生活の動作は伸展35度前後、あるいは60度程度で足りるとされています。床の腕立て伏せは、この日常動作の範囲を超えた領域を使いながら体重を支える動作です。

負担の大きさを実測したデータもあります。手首を中間位(まっすぐ)にした場合と反らせた場合で、体重の50%相当の圧をかけて比較した献体研究では、反らせた状態で手首の関節にかかる圧力が部位によって145〜243%増加し、圧力の中心が手の甲側へ5.3〜6.2mm移動したと報告されています。

プッシュアップバーを使うと、手首はものを握るときの自然な角度に近い状態を保てます。これにより次の違いが生まれます。

🖐 手首の負担が減ることで変わる点:

  • 手首の痛みで途中終了せず、狙った回数までやり切れる
  • 手首の不快感による姿勢の崩れが起きにくい
  • 手首に既にトラブルがある人でも継続の選択肢が残る

なお、腕立て伏せの動作中に手首が実際に何度まで反るのかを直接計測した研究は見つかりませんでした。角度の具体的な数値は示せませんが、床では可動域の終わりに近い領域を使い、バーではその領域をほぼ使わずに済む、という違いは動作の構造から説明できます。

鍛えられる筋肉と期待できる変化

鍛えられる筋肉そのものは、床で行う腕立て伏せと同じです。違うのは、深く沈められることによる刺激の強さと、握ることで加わる安定性の要求です。

筋肉役割期待できる変化
大胸筋メインターゲット胸板の厚み・横幅の増加
上腕三頭筋押す動作の補助二の腕の引き締め・筋力向上
三角筋前部肩の安定化肩周りのシルエット改善
前鋸筋肩甲骨の安定化姿勢の改善
体幹筋群姿勢保持体幹の安定性向上

効果が出ない使い方

同じ器具を使っても、次の使い方では床の腕立て伏せと変わらない結果に終わります。

⚠️ 効果を打ち消してしまう使い方:

  • 浅く止める:バーを使っているのに胸をバーの高さまで沈めない。深く沈められる利点を捨てている状態です
  • 反動で戻す:下で勢いをつけて跳ね返す。もっとも刺激が入る局面を飛ばしています
  • 回数だけを追う:フォームが崩れた回を数に入れる。腰が落ちた状態の反復は大胸筋への刺激が抜けます
  • 手首を反らせて握る:バーの上で手首を折ってしまうと、床でやっているのと同じ負担がかかります

プッシュアップバーのグリップ|太さと握り方で変わる筋肉の使われ方

プッシュアップバーは「腕立て伏せのグリップ」として探されることもある器具です。この握る部分の条件は、効果に直接影響します。

グリップの太さで活性化する筋肉が変わる

グリップの太さと筋活動の関係を調べた研究があります。20代の健康な男性26名(平均年齢22.2歳、体重68.0kg、身長171.2cm)を対象に、手の長さを基準にしたグリップの太さを4条件(0%=床に手をついた状態、50%、75%、100%)で比較し、肩周りの安定に関わる筋肉と大胸筋の活動を計測したものです。

結果は次のとおりでした。

計測した筋肉活動がもっとも高かった条件
三角筋前部太さ50%
大胸筋太さ50%
下筋(肩の深部で腕を安定させる筋肉)太さ75%

読み取れるのは、握れば活動が上がるという単純な関係ではなく、太さに最適点があるということです。もっとも太い100%の条件が最大値にならず、中間の太さで筋活動が最も高くなっています。太いグリップを握ると力が入りやすく感じますが、太すぎると狙った筋肉への刺激は落ちるという結果です。

この研究のグリップの太さは、手首から中指の先までの長さ(被験者の平均19.2cm)を100%とした相対値で、バーにテープを巻いて被験者ごとに調整されています。何ミリが最適かという絶対値は論文に記載されていません。そのため「直径何cmを選べばよい」と換算して示すことはできません。

自分の手に合うグリップの太さの見極め方

絶対値が示されていない以上、実際の判断は自分の手で行うことになります。

🔍 握って確かめる3つの目安:

  • 指が回りきるか:親指と他の指が余裕をもって回る太さが基本。指先が届かない太さは握力に頼る動作になります
  • 前腕が先に疲れないか:数回で前腕が張ってくる場合、太すぎるか握る力が強すぎます
  • バーが回らない程度で保持できるか:全力で握り込まずに固定できていれば適切です

なお、プッシュアップバーはグリップの直径を公表していない製品が大半です。通販で選ぶ場合はグリップ径での比較がほぼできないため、店頭で握れる製品を選ぶか、スポンジやゴムの被覆の厚みで感触を判断することになります。

バーを握る強さと手を置く位置

握る強さは、バーが回転しない程度が目安です。過度に握り込むと前腕が余計に疲れ、狙った部位の前に握力が限界を迎えます。

設置位置は肩幅よりやや広めが基本です。より正確な基準としては、先の研究で採用された開始姿勢が参考になります。中指が肩鎖関節(鎖骨の外端と肩をつなぐ関節)の真下に来る位置です。肩の真下に手が来るため、肩関節に無理のない角度で押せます。

プッシュアップバーの向き|ハの字・平行・逆ハの字の違い

バーの配置を変えると、刺激の入り方と手首・肩への負担が変わります。

ハの字に開いて置く場合

バーを外側に30度程度開いて設置します。動作中に肩甲骨が自然に動きやすく、関節への負担がもっとも少ない配置です。大胸筋の外側に刺激が入ります。手首や肩に不安がある場合、まずこの配置から始めると動作を止めずに続けられます。

平行に置く場合

バーを肩幅に合わせて平行に設置します。大胸筋全体をバランスよく使える標準的な配置で、深く沈めたときの可動域を最大限に活かせます。どの配置で行うか迷う場合は、これを基準にして比較すると違いがわかりやすくなります。

逆ハの字で大胸筋内側と上腕三頭筋を狙う

バーを内側に20〜30度向けて設置します。手幅が実質的に狭くなり、大胸筋の内側と上腕三頭筋への負荷が高まります

手幅と筋活動の関係については、肩幅・広め・狭めの3条件を比べた研究(40名、各1回の測定)があり、狭い手幅では広い手幅より大胸筋と上腕三頭筋の活動が高いと報告されています。逆ハの字は、この狭い手幅の条件をバーの角度で作り出す配置です。

ただし手首は内側にひねられ、肘も体に近づくため、手首と肩の負担は増えます。ハの字や平行で10回以上安定してこなせるようになってから取り入れる順序が無理がありません。

傾斜タイプはどっち向きに置くか

グリップに傾斜(スロープ)が付いた製品では、置く向きで手首の角度が変わります。メーカーの取扱説明書で設置向きを明示した一次情報は確認できませんでした。国内の解説記事では「傾斜の高い側を前方(頭側)に向ける」という説明が主流です。

動作の構造から考えると、高い側を前方に置くと手のひらが前に傾き、下降時に手首が反る角度が相対的に小さくなります。逆向きに置くと反る方向が増えます。手首の負担軽減を目的に傾斜タイプを選んだのであれば、高い側を前方にする向きが理屈に合います。

なお、100円ショップで販売されているプッシュアップバーにも傾斜が付いています。傾斜の有無だけを理由に高価な製品を選ぶ必要はありません。

プッシュアップバーの回数と頻度|レベル別の目安

プッシュアップバーは深く沈められるため、同じ回数でも床の腕立て伏せより負荷が高くなります。床で10回できても、バーで10回できるとは限りません。

レベル別の回数・セット数・休憩時間

レベル1セットの回数セット数休憩時間
入門(膝つき)5〜10回2〜3セット60〜90秒
初心者8〜12回3セット60秒
中級者15〜20回3〜4セット45〜60秒
上級者20回以上4〜5セット30〜45秒

この回数はフォームを維持できる範囲での目安です。表の回数に届かないこと自体は問題ではありません。フォームが崩れた回を足して表の数字に合わせる方が、結果的に遠回りになります。

週何回・1日何セットが効果的か

📅 頻度の目安:

  • 週3〜4回(連続した日に行わない)
  • 1回あたり3〜4セット
  • 同じ部位は48〜72時間空ける

筋肉が変化するのはトレーニング中ではなく、その後の回復期間です。毎日行うと回復が追いつかず、回数が伸びない状態が続きます。週3回で回数が伸びているなら、頻度を増やす必要はありません。

回数が伸びないときに見直す点

2〜3週間続けて回数が変わらない場合、原因は次のいずれかに当てはまることが多いです。

  • 可動域が浅くなっている:回数を追うと沈みが浅くなり、刺激が減ります
  • 休憩が短すぎる:セット間30秒では次のセットで回数が落ち、総量が減ります
  • 頻度が高すぎる:毎日行っていて回復が間に合っていない状態です
  • 同じ負荷を続けている:同じ回数・同じ配置のままでは、体が適応した時点で伸びが止まります

プッシュアップバーがきつい・10回できないときの対処法

プッシュアップバーで「きつい」と感じるのは、器具が正しく働いている証拠でもあります。ただし、きつさの原因が負荷なのかフォームなのかで、対処は変わります。

きついのは負荷が適切なのか、フォームの問題なのか

判断の基準は、きつさがどこに出ているかです。

大胸筋や上腕三頭筋がきついのであれば、負荷は適切です。一方、次の状態が出ている場合は負荷が上回っています。

⚠️ 負荷が上回っているサイン:

  • 腰が落ちる、または反る
  • 肘が外側に開き、脇が90度近くまで開く
  • 首が前に落ち、視線が真下を向く
  • 手首や肩に痛みが出る

これらが出た時点でそのセットは終了です。1回でもフォームを保てた回数の方が、崩れた5回より意味があります。

腕にかかる負荷は体重の何%か

腕立て伏せの姿勢で手にかかる力は、実測されています。体重に対する割合は次のとおりです。

種目体重に対する割合体重70kgの場合
足を61cm上げる74%約52kg
足を30cm上げる70%約49kg
通常のフォーム64%約45kg
手を30cm上げる55%約39kg
膝をつく49%約34kg

10回できない場合にまずやるべきことは、この割合を下げた状態から始めることです。膝をつけば通常の約4分の3の負荷になり、台や椅子に手をついて高さを作れば、その中間の負荷になります。

膝つきから通常フォームへ移行する四週間の進め方

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種目回数×セット頻度意識する点
1週目膝つき8回×2セット週3回フォームの習得を優先
2週目膝つき10回×3セット週3回胸をバーの高さより下げる
3週目通常+膝つき5回+8回×3セット週3〜4回通常フォームを先に行う
4週目通常8〜10回×3セット週3〜4回フォームが崩れる前に止める

途中で回数が届かない週があれば、同じ週をもう一度繰り返して構いません。4週間で終える必要はありません。

慣れてきたら負荷を上げる方法

通常フォームで15回以上安定してこなせるようになったら、回数を増やす前に負荷を上げる方が効率的です。

⬆️ 負荷を上げる手段:

  • 足の位置を高くする:30cmで体重の70%、61cmで74%まで上がります
  • 下で止める:もっとも深い位置で2秒静止すると、伸ばされた位置での張力の時間が伸びます
  • 下降をゆっくりにする:2〜3秒かけて下ろすと、同じ回数でも刺激が増えます
  • 逆ハの字に配置する:大胸筋内側と上腕三頭筋への負荷が上がります

なお、動作を速くすれば負荷が下がるわけではありません。速く動かすと反動が使われ、筋肉への刺激が抜けます。

プッシュアップバーの応用種目|刺激を変えるバリエーション

基本のフォームで20回を超えるようになったら、種目を変えて刺激の入り方を変えていきます。

ワイド・ナロー・デクライン

ワイドは手幅を肩幅の1.5倍程度に広げ、大胸筋の外側を狙います。ただし手幅と筋活動を比べた研究では、広い手幅は狭い手幅より大胸筋・上腕三頭筋の活動が低いという結果が出ています。刺激の変化を狙う種目として位置づけるのが妥当です。

ナローは手幅を肩幅より狭くし、上腕三頭筋への負荷を高めます。バーを使う場合は逆ハの字の配置がこれに近い刺激になります。

デクラインは足を台や椅子に乗せる方法です。30cmの高さで体重の70%、61cmで74%まで負荷が上がり、大胸筋上部と三角筋前部への刺激が増します。

アーチャープッシュアップ

片腕を横に伸ばし、もう片方の腕で体を支えながら下降する種目です。支える側の腕に体重が集中するため、片腕腕立て伏せへの移行段階として使えます。バーを握れる分、床で行うより手首の負担が少なく取り組めます。

プランシェプッシュアップに進むための条件

手を腰の位置に置き、前傾姿勢で行う種目です。必要なのは腕の筋力より、前傾で体を支える肩と体幹の強さです。通常のプッシュアップバー種目で20回以上こなせること、そして肩を前傾させた姿勢を数秒保てることが前提になります。

前傾で体を支える動作を体系的に鍛えたい場合は、ヒューマンフラッグ(人間鯉のぼり)のやり方完全ガイドで必要な筋力と練習の段階を確認できます。

ディップスへ発展させる

押す動作をさらに強化するなら、次の段階はディップスです。プッシュアップバーでは体重の6〜7割を扱いますが、ディップスは体重のほぼ全部を腕で支える種目になります。負荷の差が大きいため、いきなり挑戦すると1回も上がらないことがあります。

段階を踏んだ練習方法は、ディップスができない原因と練習法で解説しています。

プッシュアップバーの選び方|耐荷重・高さ・素材の見極め方

製品による違いは、耐荷重・高さ・素材・接地部の4点に集約されます。

耐荷重の見方と「体重の何倍」という基準の実際

耐荷重については「体重の1.5〜2倍以上を選ぶべき」という基準が広く語られています。ただし調べた範囲では、JISやISO 20957などの公的規格、業界基準としてこの倍率を定めた記載は確認できませんでした。この数値は経験則として流通しているものです。

実際の製品表示には次の特徴があります。

📋 耐荷重表示を読むときの注意点:

  • 多くは静的な定格値で、動作中にかかる力(動的荷重)は明示されていません
  • 2個同時使用時の合計値で表示している製品があります。片手あたりの値ではありません
  • 試験方法はほぼ非開示です。荷重検査を実施したと記載する製品もありますが、方法の詳細は示されていません

判断としては、自分の体重を上回る耐荷重があり、2個合計か1個あたりかを確認できる製品であれば実用上問題は起きにくいと考えられます。倍率よりも、次に説明する接地部の安定性の方が体感に直結します。

高さは何センチを選ぶか

主要製品の高さを調べると、10.9〜16cmの範囲に分布し、標準的な据置型は11〜15cmでした。中央値は14cm前後です。

高さの意味は明確です。高いほど深く沈められ、可動域と負荷が増えます。10回できない段階で16cmのハイタイプを選ぶと、フォームを保てる回数がさらに減ります。最初の1台は11〜12cm程度、回数が伸びてから高いタイプを検討する順序が現実的です。

素材別の違い|プラスチック・スチール・木製

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素材価格帯耐荷重の目安特徴
プラスチック(PP・ABS)330〜1,500円80〜150kg軽量。安価な製品は個体によりぐらつきがある
スチール・鉄2,900〜5,300円150〜181kg剛性が高い。S字形状は接地面が狭く床を傷めやすい
木製(松・パイン材)2,880〜5,780円300〜500kg耐荷重が高くグリップが太め。汗を吸う

価格差は主に剛性と耐荷重に出ます。通常の腕立て伏せの範囲であれば、プラスチック製でも必要な条件は満たせます。

木製プッシュアップバーのメリット

木製は他の素材と性質がはっきり違います。

🌲 木製を選ぶ理由になる点:

  • 耐荷重が300〜500kgと高く、プランシェやL字座位など体重が一点に集中する種目にも耐えられます
  • 汗を吸うため滑りにくい。長時間や高頻度で使う場合に手が滑る不快感が出にくくなります
  • グリップが太めに作られている製品が多く、握り込みやすい形状です
  • 体操用のパラレットと用途が重なるため、倒立系の種目にも流用できます

一方で重量があり、持ち運びや収納には向きません。水拭きすると木が傷むため、手入れは乾拭きが基本です。

接地部の安定性と床の保護

体感の差がもっとも大きいのは接地部です。接地面が広く、底面に滑り止め加工がある製品ほど安定します

鉄製のS字形状は剛性が高い反面、接地面が細く、フローリングでは滑りやすい・跡が付きやすいという指摘があります。床への傷と振動音の両方を抑えるには、マットの併用がもっとも確実です。集合住宅では、体を下ろすときの振動が階下に伝わる点も考慮する必要があります。

厚みによる違いはヨガマット・トレーニングマット・ストレッチマットの違いで比較しています。プッシュアップバーの下に敷く用途では、沈み込みすぎない厚みを選ぶことが安定性につながります。

傾斜付き・回転式を選ぶ判断

傾斜付きは手首の角度をさらに寝かせられるタイプです。フラットと約20度の2段階に調節できる製品もあります。手首に不安がある場合の選択肢になります。

回転式はグリップがベアリングで360度回るタイプです。動作中に手首を自然な方向へ逃がせる一方、動くバーを支えるために体幹の関与が増えます。安定した土台で回数を伸ばしたい初心者向けではなく、刺激を変えたい段階での選択肢です。

プッシュアップバーのおすすめ|価格帯別の候補

価格は調査時点の実売参考値です。セール・在庫・出品者により変動します。

価格を抑えたい場合

ダイソー プッシュアップバー(330円) が最安の選択肢です。ポリプロピレン製で傾斜が付き、高さは約12cm、パッケージには耐荷重150kgと表記されています。まず続くかどうかを試す段階では、この価格帯で十分です。

もう少し安定性を求めるなら、アルインコ WBF228(1,500円前後) があります。アルインコ公式サイトの製品仕様では耐荷重100kg、サイズは幅140×奥行260×高さ140mmと公表されています。高さ14cmは標準より高めで、可動域を取りやすい代わりに負荷も上がります。Amazonで扱われている同社のプッシュアップバーは、レビュー367件で次の評価が付いています。

総合評価:

初心者が最初に買う場合

アディダス ADAC-12231(2個セット、約2,900〜3,410円) は接地部が幅19.5×15cmと広く、組み立て不要で使えます。販売店の製品仕様では耐荷重150kg、素材はチューブが鉄、グリップがHDR、重量750g(2個)、台湾製と記載されています。高さは11.5cmで、最初の1台として扱いやすい高さです。

鉄のS字形状のため、レビューではぐらつきや床の傷が指摘されています。フローリングで使う場合はマットを併用してください。

高負荷種目まで使う場合

ハービンジャー プッシュアップ プロ 21314(約2,970〜5,280円) は回転式で、円形ベースの直径は約20cm、高さは約11.4cmです。代理店の製品ページでは耐荷重400ポンド(約181kg)と公表されています。

回転機構により手首を逃がしながら押せますが、支えるための体幹の関与が増えます。基本フォームが安定してから使う製品です。

木製を選ぶ場合

松材・パイン材の木製バー(2,880〜5,780円)は耐荷重300〜500kg、高さは約11cmが主流です。プランシェやL字座位まで視野に入れる場合、耐荷重の余裕がそのまま安心感になります。国産桧を使った板状の製品もあり、こちらは接地面積が大きく安定します。

併せて揃えたい器具

プッシュアップバーは押す動作専用の器具です。上半身を一通り鍛えるには、引く動作と体幹の種目を別に用意する必要があります。何から揃えるかは筋トレに必要なもの|初心者が最低限揃えるべき器具と予算別の揃え方で予算別に整理しています。

体幹を並行して鍛えるなら、価格帯が近い器具として腹筋ローラーがあります。効き方と回数の目安は腹筋ローラーの効果とどこに効くかで解説しています。

プッシュアップバーのメンテナンスと保管

プッシュアップバーは構造が単純ですが、グリップと接地部は消耗します。手入れの手間はほとんどかかりません。

汗と汚れの落とし方

🧹 素材別の手入れ:

  • プラスチック・スチール製:使用後に乾いた布で汗を拭き、週1回程度は中性洗剤で拭いてから完全に乾かします
  • 木製:乾拭きが基本です。水拭きや洗剤は木を傷めます
  • グリップ部分:汗が残ると滑りやすくなるため、他の部分より丁寧に拭きます

定期的に点検する箇所

組み立て式や回転式は、可動部分に緩みが出ます。

🔧 月1回確認する箇所:

  • ネジ・ボルトの緩み
  • グリップの摩耗や剥がれ
  • 接地部の滑り止めの損傷
  • 本体のゆがみ・亀裂

体重を預ける器具なので、ぐらつきを感じた時点で使用を止めて点検してください。プラスチック製の安価な製品では、亀裂が入ってから破断するまでが短い場合があります。

保管時の注意

直射日光と高温多湿を避け、平らな場所に置きます。上に重い物を載せると変形します。木製は湿気を吸うため、風通しのよい場所に置いてください。

まとめ

プッシュアップバーの価値は、大胸筋が伸ばされた位置まで負荷をかけられることと、手首を反らせずに体重を支えられることの2点です。床の腕立て伏せで手首が痛くて続かなかった人にとっては、続けられるかどうかを左右する器具になります。

回数は、フォームを維持できる範囲で数えることが前提です。10回できない場合は膝をつけば体重の約49%まで負荷が下がり、台に手をつけば約55%になります。数字を追って崩れたフォームで反復するより、負荷を下げて可動域を使い切る方が結果につながります。

配置はハの字か平行から始め、安定して10回以上こなせるようになってから逆ハの字を試す順序が無理がありません。傾斜タイプは、高い側を前方に向ける説明が主流です。

製品選びでは、耐荷重の倍率より接地部の広さと滑り止めを優先してください。330円の製品から選択肢があり、最初の1台は高さ11〜12cm程度の安定した製品で十分です。回数が伸びてから、高さのあるタイプや木製、回転式を検討する順序が現実的です。


よくある質問(FAQ)

プッシュアップバーの消費カロリーはどのくらいですか?

体重70kgの人が10分行った場合、強度によって約37〜80kcalです。自重トレーニングの強度は3.0〜6.5メッツとされており、同じ10分でも倍以上の差が出ます。実際にはセット間の休憩を含むため、この幅の下寄りになります。

毎日やってもいいですか?

推奨しません。筋肉が変化するのはトレーニング後の回復期間で、同じ部位には48〜72時間空ける必要があります。毎日行うと回復が追いつかず、回数が伸びない状態が続きます。

自作は可能ですか?

塩ビパイプなどで作る方法はありますが、おすすめしません。体重の6〜7割が手にかかる器具で、破断すれば顔から落ちます。市販品は330円から選べます。

腕立て伏せ100回を目指すコツはありますか?

まず正しいフォームで連続20回を目標にし、そこから回数を伸ばします。週3〜4回の頻度を維持し、3〜6か月かけて段階的に増やす想定で組んでください。

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参考サイト・出典:

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