ボディメイクの正しい順番とは?痩せてから筋トレvs筋トレしながら痩せる

ボディメイクは、多くの人が目指す健康的な生活改善の一歩です。その主な目標は、減量と筋肉増量の2つに集約されますが、この2つを同時に達成するのは容易ではありません。

この記事は、特に体重(脂肪量)が多い方運動習慣のない方に向けて、効果的なボディメイクの方法を解説します。皆さんの中には、「痩せてから筋トレを始めるべきか」「筋トレをしながら痩せるべきか」と悩んでいる方も多いでしょう。

まず、健康的な体づくりの基準となる体脂肪率について理解しましょう。一般的に、健康的とされる体脂肪率の目安は以下の通り。

  • 男性:10〜19%
  • 女性:20〜29%

これらの数値を超えると、肥満のリスクが高まります。しかし、心配する必要はありません。適切な方法で取り組めば、誰でも理想の体型に近づくことができるのです。

これから、あなたの体型や目標に合わせた最適なボディメイクの方法を、step by stepで解説していきます。健康的で魅力的な体を手に入れる旅に、一緒に出発しましょう!

目次

1. ボディメイクの2つのアプローチ

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ボディメイクを目指す上で、「痩せてから筋トレ」「筋トレしながら痩せる」という2つの主要なアプローチがあります。どちらを選択するかは、個人の目標や体質、生活スタイルによって異なります。それぞれのアプローチについて詳しく見ていきましょう。

1.1 痩せてから筋トレするアプローチ

このアプローチは、まず体重減少を優先し、その後筋力トレーニングに移行する方法です。

メリット:

  • 体重減少の優先: カロリー制限と有酸素運動を組み合わせることで、効果的に体脂肪を減らすことができます。
  • 関節への負担軽減: 体重が減ることで、筋トレ時の関節への負担が軽減されます。
  • 健康リスクの低減: 肥満関連の健康リスクを早期に改善できる可能性があります。

デメリット:

  • 筋肉量の減少リスク: カロリー制限により、脂肪だけでなく筋肉も失われる可能性があります。
  • 基礎代謝の低下: 筋肉量が減ることで、基礎代謝が低下する可能性があります。
  • リバウンドのリスク: 急激な減量は、リバウンドのリスクを高める可能性があります。

適している人:

  • 体重が多く、まず体重減少を目指したい人
  • 関節に問題がある人
  • 短期間で体重を落とす必要がある人

1.2 筋トレしながら痩せるアプローチ

このアプローチは、筋力トレーニングと有酸素運動を並行して行い、同時に適切な栄養管理を行う方法です。

メリット:

  • 基礎代謝の向上: 筋肉量を増やすことで、基礎代謝が向上し、脂肪燃焼効率が高まります。
  • 早期の体型変化実感: 筋肉がつくことで、体重の変化が少なくても体型の変化を感じやすくなります。
  • 筋力の向上: 日常生活での動作が楽になり、怪我のリスクも減少します。

デメリット:

  • 初期の体重減少が遅い可能性: 筋肉量が増えることで、体重の減少が見られにくい場合があります。
  • 適切な栄養管理の難しさ: 筋肉増強と脂肪燃焼のバランスを取るための食事管理が複雑になります。
  • トレーニング強度の調整: 適切な強度で筋トレを行わないと、怪我のリスクが高まる可能性があります。

適している人:

  • すでにある程度運動習慣がある人
  • 長期的な体型維持を目指す人
  • 筋力向上と脂肪減少を同時に目指したい人

どちらのアプローチを選択するにせよ、継続性バランスの取れた食事が成功の鍵となります。自分の目標や生活スタイルに合わせて、最適なアプローチを選択し、着実に実践していくことが重要です。

2. 効果的なボディメイクプログラム

2.1 食事管理(優先度:70%)

食事管理はボディメイクの成功において最も重要な要素です。適切な栄養摂取とカロリーコントロールが、あなたの目標達成を大きく左右します。

カロリー計算方法(男女別)

基礎代謝量(BMR)を計算する方法:

  • 男性: 88 + (13.4 × 体重kg) + (4.8 × 身長cm) – (5.7 × 年齢)
  • 女性: 447.6 + (9.2 × 体重kg) + (3.1 × 身長cm) – (4.3 × 年齢)

適切なカロリー摂取量の設定

  1. 基礎代謝量(BMR)を計算
  2. 活動レベルに応じて1.2~1.9を掛ける(総消費カロリー)
  3. 目標に応じてカロリー調整:
  • 減量:総消費カロリーから300~500kcal減
  • 増量:総消費カロリーに300~500kcal増

タンパク質摂取の重要性と方法

  • 目安:体重1kgあたり1.6~2.2gのタンパク質摂取
  • 良質なタンパク質源:鶏胸肉、魚、卵、豆腐、プロテイン

アプローチ別の食事戦略

  • 痩せてから筋トレ:初期はやや大きめのカロリー制限(総消費カロリーから500~700kcal減)。タンパク質摂取は維持。
  • 筋トレしながら痩せる緩やかなカロリー制限(総消費カロリーから300~500kcal減)。タンパク質摂取を増やし、筋肉の維持・増加を促進。

2.2 無酸素運動(筋トレ)(優先度:20%)

筋トレは基礎代謝を上げ体型を整える上で非常に重要です。

筋トレの重要性と基本原則

  • 筋肉量増加による基礎代謝の向上
  • 骨密度の向上姿勢の改善
  • プログレッシブオーバーロード:徐々に負荷を上げる

おすすめの自重トレーニング

  1. スクワット:下半身全体の強化
  2. プッシュアップ:上半身の筋力向上
  3. プランク:体幹強化
  4. ランジ:脚と臀部の強化
  5. ディップス:上腕三頭筋の強化

筋トレの頻度と強度の調整

  • 初心者:週2~3回全身運動中心
  • 中級者:週3~4回部位別トレーニング
  • 上級者:週4~6回細分化されたプログラム

アプローチ別のトレーニング戦略

  • 痩せてから筋トレ:初期は軽い負荷で回数を多く。徐々に負荷を上げる。
  • 筋トレしながら痩せる中~高負荷で、複合種目を中心に。回数は8~12回を目安に。

2.3 有酸素運動(優先度:10%)

有酸素運動はカロリー消費心肺機能の向上に効果的です。

有酸素運動の位置づけとメリット

  • 脂肪燃焼の促進
  • 心肺機能の向上
  • ストレス解消メンタルヘルスの改善

おすすめの有酸素運動と注意点

  1. ウォーキング:低強度で始めやすい
  2. ジョギング:効率的なカロリー消費(膝への負担に注意)
  3. 水泳:全身運動で関節への負担が少ない
  4. サイクリング:膝への負担が少なく、長時間可能

注意点:急激な運動強度の上昇は怪我のリスクがあるため、徐々に強度を上げる。

筋トレとの組み合わせ方

  • 原則:筋トレ後に有酸素運動を行う
  • HIIT(高強度インターバルトレーニング)で効率的に両立

アプローチ別の有酸素運動の取り入れ方

  • 痩せてから筋トレ:初期は有酸素運動の比重を高く。週3~5回、30~60分程度。
  • 筋トレしながら痩せる筋トレ後に短時間の有酸素運動(15~30分)を取り入れる。HIITも効果的。

3. 女性向けボディメイクのポイント

女性のボディメイクは男性とは異なるアプローチが必要です。生理学的な違いを理解し、それに合わせた戦略を立てることが重要です。

男女の生理学的な違いと注意点

  • ホルモンバランス: 女性はエストロゲンが多く、テストステロンが少ないため、筋肉がつきにくく脂肪がつきやすい傾向があります。
  • 筋繊維の違い: 女性は遅筋線維の割合が高く、持久力に優れていますが、パワーや筋肥大には時間がかかります。
  • 基礎代謝: 一般的に女性は男性よりも基礎代謝が低いため、減量には時間がかかる場合があります。
  • 月経周期: ホルモンの変動により、体重や体調が変化する場合があるので、長期的な視点で進捗を評価することが大切です。

女性に効果的な筋トレメニュー

  1. コンパウンド運動を中心に:
  • スクワット
  • デッドリフト
  • ベンチプレス
  • ショルダープレス
  1. 自重トレーニング:
  • プッシュアップ
  • ランジ
  • プランク
  • ヒップスラスト
  1. 高反復低重量のトレーニング:
  • 筋持久力を高め、引き締まった体を作るのに効果的です。
  1. HIIT (高強度インターバルトレーニング):
  • 短時間で効率的に脂肪燃焼と筋力アップを同時に狙えます。

ホルモンバランスを考慮した食事と運動

  • タンパク質摂取: 体重1kgあたり1.6〜2.0gのタンパク質摂取を目指します。筋肉の維持と成長に不可欠です。
  • 健康的な脂質: オメガ3脂肪酸を含む食品(魚、ナッツ類)を積極的に摂取し、ホルモンバランスを整えます。
  • 鉄分補給: 特に月経中は鉄分が不足しがちなので、意識的に摂取しましょう。
  • 周期に合わせた調整:
  • 卵胞期(生理後〜排卵前): エネルギーが高まるので、高強度のトレーニングに適しています。
  • 黄体期(排卵後〜生理前): 疲労しやすいので、軽〜中強度のトレーニングに切り替えます。
  • 休息の重要性: 過度なトレーニングや極端な食事制限はホルモンバランスを崩す可能性があるので注意しましょう。

女性特有の生理学的特徴を理解し、それに合わせたトレーニングと食事戦略を立てることで、効果的かつ持続可能なボディメイクが可能になります。個人差も大きいので、自分の体と対話しながら、最適なアプローチを見つけていくことが大切です。

4. 個別のケーススタディ

ケース1:肥満体型の初心者

肥満体型の初心者にとって、最適なアプローチは「痩せてから筋トレ」です。

  1. まずは減量に集中
  • カロリー制限を中心とした食事管理を行います。
  • 1日の摂取カロリーを基礎代謝の20-30%減に設定します。
  1. 有酸素運動の導入
  • 関節への負担が少ないウォーキング水泳から始めます。
  • 徐々に強度を上げ、30分以上の持続的な運動を目指します。
  1. 軽い筋トレの併用
  • 筋肉量維持のため、自重トレーニングを週2-3回行います。
  • スクワット、腕立て伏せ(膝をつく形から)、腹筋運動を取り入れます。
  1. 目標設定
  • 最初の3ヶ月で体重の5-10%減少を目指します。
  • 体脂肪率が正常範囲(男性20%以下、女性30%以下)に近づいたら、本格的な筋トレを開始します。

ケース2:やせ型で筋肉をつけたい人

やせ型の人には、「筋トレしながら増量」のアプローチが効果的です。

  1. カロリーサープラス
  • 基礎代謝量より300-500kcal多く摂取します。
  • タンパク質摂取量を体重1kgあたり1.6-2.2gに設定します。
  1. 重量トレーニングの実施
  • 週3-4回の頻度で全身の筋トレを行います。
  • コンパウンド運動(スクワット、デッドリフト、ベンチプレスなど)を中心に構成します。
  • 各種目8-12回×3-4セットを目安に行います。
  1. 適度な有酸素運動
  • 筋肉増強を優先するため、有酸素運動は週1-2回、20-30分程度に抑えます。
  1. 休息と栄養
  • 十分な睡眠(7-9時間)を確保します。
  • トレーニング後30分以内にプロテインやBCAAを摂取します。
  1. 目標設定
  • 最初の3ヶ月で除脂肪体重2-3kg増加を目指します。

ケース3:リバウンドを経験した人

リバウンド経験者には、「筋トレしながら緩やかに痩せる」アプローチが効果的です。

  1. 緩やかなカロリー制限
  • 基礎代謝量から10-15%減のカロリー摂取に設定します。
  • 急激な制限は避け、持続可能な食習慣を築きます。
  1. バランスの取れたトレーニング
  • 筋トレと有酸素運動を組み合わせる
    • 筋トレ:週3回、全身運動を中心に
    • 有酸素運動:週2-3回、30-45分程度
  1. ストレス管理と睡眠
  • 瞑想ヨガなどのリラックス法を取り入れます。
  • 質の良い睡眠を7-8時間確保します。
  1. 定期的な進捗確認
  • 2週間に1度体重と体脂肪率を測定します。
  • 体型の写真を月1回撮影し、変化を可視化します。
  1. 目標設定
  • 3ヶ月で体重3-5%減少筋力向上を目指します。
  • 長期的には、1年かけて理想の体型に近づけることを目標とします。

各ケースにおいて、個人の状況や目標に応じて柔軟に調整することが重要です。また、専門家のアドバイスを受けることで、より効果的かつ安全なボディメイクが可能になります。

5. よくある質問(FAQ)

筋トレと有酸素運動、どちらを先にするべき?

一般的に、筋トレを先に行い、その後に有酸素運動を行うことが推奨されています。理由は以下の通りです。

  • 筋トレ時にグリコーゲン(エネルギー源)を消費するため、その後の有酸素運動で脂肪燃焼が促進されやすくなります。
  • 筋トレ後は代謝が上がった状態なので、有酸素運動の効果が高まります。
  • 筋トレを先に行うことで、怪我のリスクを軽減できます。

ただし、個人の目標や体力レベルによっては順序を変更しても構いません。重要なのは、両方のトレーニングを継続的に行うことです。

減量中も筋肉をつけることはできる?

はい、可能です。ただし、同時に行うのは難しく、効率は低下します。これをリコンプ(Recomposition)と呼びます。成功のポイントは以下の通りです。

  • 十分なタンパク質摂取(体重1kgあたり1.6〜2.2g)
  • 適度なカロリー制限(基礎代謝の10〜20%減)
  • 高強度の筋力トレーニング
  • 十分な休息と睡眠

初心者や長期間トレーニングを中断していた人は、リコンプ効果が高い傾向にあります。

ダイエットのみで筋トレは必要ない?

筋トレはダイエット成功の重要な要素です。以下の理由から、ダイエット中も筋トレを行うことをおすすめします。

  • 基礎代謝の維持・向上:筋肉量が減ると基礎代謝も低下し、減量が難しくなります。
  • 筋肉量の維持:カロリー制限だけでは筋肉も失われやすくなります。
  • 体型の引き締め:筋トレにより、減量後の体型がより引き締まります。
  • リバウンド防止:筋肉量を維持することで、長期的な体重管理が容易になります。
どのくらいの期間で結果が出るの?

結果が現れる期間は個人差が大きいですが、一般的な目安は以下の通りです。

  • 体重・体脂肪の変化:適切な食事管理と運動を続けると、1〜2週間で変化を感じ始めることが多いです。
  • 目に見える体型の変化:4〜8週間程度で、周囲の人にも分かるような変化が現れ始めます。
  • 大きな体型の変化:3〜6ヶ月継続すると、顕著な変化が見られるでしょう。

重要なのは、短期的な結果に一喜一憂せず、長期的な視点で取り組むことです。個人の初期状態、年齢、性別、遺伝的要因などによっても進行速度は異なります。

6. まとめ:成功への道筋

個人に合ったアプローチの選び方

ボディメイクの成功には、自分に合ったアプローチを選ぶことが重要です。以下の点を考慮してください:

  • 現在の体型と目標:肥満度が高い場合は減量優先、やせ型で筋肉をつけたい場合は増量優先など。
  • 生活スタイル:仕事や家庭の状況に合わせたトレーニング計画を。
  • 過去の経験:これまでの成功や失敗を分析し、活かす。
  • 好みや得意不得意:続けられるトレーニング方法を選択。

段階的なアプローチの重要性

ボディメイクは一朝一夕には達成できません。段階的なアプローチを取ることで、持続可能な変化を生み出せます:

  1. 基礎づくりの段階:正しいフォームの習得、基本的な食事管理の学習
  2. 習慣化の段階:定期的なトレーニングと食事管理の習慣づけ
  3. 進化の段階:トレーニング強度の漸増、より詳細な栄養管理
  4. 維持の段階:達成した体型の維持と微調整

継続のコツとモチベーション維持のヒント

長期的な取り組みにはモチベーション維持が鍵です:

  • 小さな目標を設定:達成感を味わいやすい短期目標を立てる
  • 進捗の記録:体重、体脂肪率、写真などで変化を可視化
  • 仲間づくり:同じ目標を持つ人と情報交換や励まし合い
  • 報酬システム:目標達成時に自分へのご褒美を用意
  • ストレス解消法の確立:トレーニングや食事制限のストレスに対処する方法を見つける

長期的な視点でのボディメイク

ボディメイクは生涯にわたるプロセスです。以下の点を心に留めておきましょう:

  • 健康第一:無理な減量や過度なトレーニングは避ける
  • 柔軟な対応:年齢や生活環境の変化に合わせて計画を調整
  • 知識のアップデート:最新の科学的知見や効果的なトレーニング方法を学び続ける
  • 自己理解:自分の体の反応や変化を観察し、最適なアプローチを見つける

完璧を求めすぎず、継続することが最大の成功要因です。小さな進歩を積み重ね、健康的で充実した人生を送ることがボディメイクの真の目的であることを忘れないでください。


参考:

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