冬・寒い日に筋トレのやる気が出ない原因と対策|室温の目安と続けるコツ

冬の雪が降る窓際で、ヨガマットの上に座り込み寒さでガタガタと震えているトレーニングウェア姿の女性。手前には使われていない2つの黒いダンベルが置かれています。

「今日こそやろう」と思いながら、結局布団から出られずに一日が終わる。ジムに行く準備をしようとしても、寒さを理由に「明日でいいか」と先延ばしにしてしまう——冬になると、こんな自分にうんざりしていませんか?

冬にやる気が出ないのは、意志の弱さではありません。主な原因は、寒さで筋肉の温度が下がって体が思うように動かないことと、朝が暗くなって体内時計がずれることです。どちらも体の側で起きている変化なので、気合いで押し切るより、部屋と体を先に温めるほうが確実に動けます。

この記事では、冬のやる気低下の原因を整理したうえで、寒い部屋での室温の目安と暖め方、ウォームアップの工夫、心理的なハードルを下げる方法を具体的に紹介します。

ちなみに、2週間程度休んでも筋力はほぼ保たれます。完璧を目指さなくても大丈夫な理由も、この記事で解説します。

目次

冬・寒い日に筋トレのやる気が出ない3つの原因

冬のやる気低下には、寒さ・光・生活リズムの3つが重なっています。原因がわかれば、どこから手を付ければいいかも見えてきます。

寒さで筋温が下がり、体が思うように動かない

寒い環境では、体は熱を逃がさないように防御モードに入ります。

🥶 寒さで起きる体の変化:

  • 皮膚に近い血管が収縮し、手足への血流が減る
  • 筋肉の温度(筋温)が下がり、動きが硬く重くなる
  • 熱を逃がさないよう、活動を控える方向に傾く

筋温が下がると、実際に筋肉が出せる力も落ちます。筋温1℃あたり、ジャンプ力やスプリントの速さに約4%の差が出るという報告があります。寒い朝に「体が重い」と感じるのは気のせいではなく、体がこうした状態にあるからです。

暖かい布団と冷えた部屋の温度差も、布団から出るハードルを上げます。体が「動きたくない」と感じるのは、冷えた体で無理に動いてケガをしないための自然な反応とも考えられます。

暗い朝と日照不足で体内時計がずれる

冬は昼が短くなります。東京の場合、冬至の日の出は6時47分、日の入りは16時32分で、昼の長さは約9時間45分。夏至(約14時間35分)より5時間近く短く、7時近くまで外が暗い状態で起きることになります。朝の光は体内時計を合わせる合図なので、暗い朝が続くと目覚めが悪くなり、日中のだるさにつながります。

一方で、「冬は日照時間が短い」は地域によって正しさが変わります。気象庁の平年値で、1月と7月の月間日照時間を比べると次のとおりです。

地点1月の日照時間7月の日照時間
東京192.6時間151.4時間
名古屋174.5時間166.0時間
大阪146.5時間184.0時間
札幌90.4時間168.0時間
新潟56.4時間162.1時間
秋田39.0時間150.3時間

出典:気象庁「過去の気象データ(平年値)」

太平洋側の東京は、晴れる日が多いため1月のほうが7月より日照時間が長いほどです。対して日本海側や北日本は、冬の日照が夏の3〜5割程度まで落ちます。

日照とセロトニンの関係もよく話題になりますが、正確には、セロトニンは食事から取るアミノ酸(トリプトファン)を材料に脳や腸で作られます。日光を浴びて皮膚で作られるのはビタミンDです。そのうえで、日照の少ない日ほど脳のセロトニン代謝が低かったという研究(男性101人)があり、光は脳のセロトニンの働き方に関わると考えられています。

国内では、札幌・秋田・鳥取・鹿児島の保護者668人を調べた調査で、冬に気分や睡眠が大きく変わる「季節性が高い人」が13.3%いました。地域別では秋田16.5%、札幌14.7%に対し、鹿児島は10.9%で、北の地域ほど冬の睡眠が長く、体重も増えやすい傾向が見られています。

なお、冬の一時的な気分の落ち込みは「ウィンター・ブルー」と呼ばれ、医療機関で診断される季節性感情障害(冬季うつ)とは区別されます。気分の落ち込みが2週間以上続き、仕事や生活に支障が出ている場合は、筋トレの工夫より先に受診を検討してください。

年末年始で生活リズムが崩れる

冬は忘年会やお正月など、生活リズムが乱れやすいイベントが続きます。

睡眠時間の変動、食事の乱れ、アルコール摂取量の増加が重なると、体内時計が狂い、日中の活動意欲が下がります。一度崩れた習慣を戻すのは心理的なハードルも高く、「もういいや」と筋トレから離れるきっかけになりがちです。

年末年始の食べ過ぎが気になるなら、食事を極端に減らすより、筋トレで消費を増やすと考えるほうがストレスが少なく、筋肉の維持にもつながります。「食べた分を動いて使う」と考えれば、休み明けに再開する理由にもなります。

寒い部屋での筋トレは室温何度から?冬の室温・湿度の目安

寒くて筋トレできないなら、まず変えるべきは気持ちではなく部屋です。ここでは室温・湿度の目安と、暖め方の具体的な方法を紹介します。

室温は18℃以上、20℃前後を目安にする

自宅で筋トレをするなら、室温18℃以上、できれば20℃前後を目安にしてください。

🌡 目安の根拠になる数値:

  • WHOの住宅と健康ガイドライン:寒い季節の室温は18℃以上を強く推奨
  • 建築物衛生法の管理基準:温度18〜28℃、相対湿度40〜70%
  • 環境省のウォームビズ:暖房時の室温20℃が目安

「筋トレに最適な室温は何℃」と決めた研究はありません。そのため、健康のための最低ラインである18℃を下回らないようにし、20℃前後から始めるのが現実的です。動き始めると体温が上がるので、暑く感じてきたら暖房を弱めるか、上着を脱いで調整します。暑すぎる部屋では体力を消耗し、トレーニングに集中できなくなります。

体感の「寒い・暖かい」は当てにならないので、温湿度計で実際の数値を見るのが確実です。スマートフォンで室温の記録を見られる「SwitchBot 温湿度計プラス」(2,420円〜)や、置くだけで使える「タニタ TT-559」(2,199円〜)のように、2,000円前後で手に入ります。

寒い部屋のまま始めると筋力・パワーが落ちる

寒い部屋での筋トレでも、筋肉への刺激がゼロになるわけではありません。ただし、体が冷えたままでは本来の力を出し切れません。

脚を冷水に浸けて筋温を下げた実験では、12℃の水で冷やした後の最大パワーが約21%低下しました(4人の小規模な実験)。寒い部屋でここまで冷えることはありませんが、筋温が低いほど力が出にくいという方向ははっきりしています。いつもの重量が重く感じる日は、筋肉が落ちたのではなく、体が温まっていない可能性を先に疑ってください。

「寒いとケガをしやすい」とよく言われますが、寒さと肉離れの関係を直接確かめた質の高い研究は、現時点では見当たりません。とはいえ、冷えて動きが硬い状態でいきなり高重量を扱う理由もないので、部屋を暖め、ウォームアップで体を温めてから本番に入るのが安全です。

筋トレ前に部屋を暖める暖房器具の選び方

筋トレ用に部屋を暖めるなら、部屋全体の空気を暖められて、運動中もつけっぱなしにできる器具が向いています。

暖房器具暖まり方1時間あたりの目安運動中の注意点
エアコン部屋全体の空気を暖める約15円(2.2kW級・定格暖房470W)転倒・接触の心配が少ない。乾燥しやすいので加湿を併用
セラミックファンヒーターすぐ温風が出るが、暖まるのは周囲中心約37円(1,200W)吹出口が高温。タオルやウェアを近くに置かない
オイルヒーター立ち上がりが遅い。じんわり暖める約47円(1,500W・最大)表面が熱い。キャスター付きは動かすと転倒の危険
石油ファンヒーター点火が速く、部屋全体を暖められる約34円(2.5kW級・最大燃焼の灯油代)+電気代1時間に1〜2回、1〜2分の換気が必要

※電気代は1kWhあたり31円で、定格(最大)出力のまま連続運転した場合の上限の目安です。灯油代は1Lあたり140.8円で計算しています。

多くの部屋ではエアコンがもっとも条件に合います。筋トレを始める20〜30分前にタイマーで暖房を入れておくと、寒い部屋に入って心が折れることがなくなります。エアコンの効きが弱い部屋では、トレーニングする場所の近くにセラミックファンヒーターを補助で置くのも手です。

⚠️ 運動中に暖房器具を使うときの注意:

  • 暖房器具とトレーニングする場所の間に、腕や脚を振っても届かない距離を取る
  • 汗を拭いたタオルや脱いだ上着を、暖房器具の上や前に置かない
  • 石油ファンヒーターは運転中に動かさず、給油は火を消してから行う

製品評価技術基盤機構(NITE)の集計では、2020〜2024年の暖房器具の事故596件のうち約8割が電気・石油ストーブ類でした。対策の中心は、衣類などの燃えやすい物との距離を取ることです。

暖房で乾燥する部屋は加湿と水分補給をセットで

暖房を使うと部屋は乾燥します。湿度は**40〜60%**を目安にしてください。厚生労働省は急性呼吸器感染症対策のQ&Aで、乾燥しやすい室内では加湿器などで50〜60%を保つことを勧めています。乾燥で気道の粘膜の防御機能が落ちるためで、息が上がるトレーニング中にのどを傷めにくくする意味でも役立ちます。

加湿器を選ぶなら、水を沸騰させるスチーム式は雑菌が繁殖しにくく、蒸気で部屋もわずかに暖まるため、冬の筋トレ部屋と相性がよい方式です。電気代は高めで、加湿時で1時間約13円かかります。

✅ 象印 スチーム式加湿器 EE-DG50:

  • タンク容量:4.0L
  • 加湿量:480mL/h(木造8畳・プレハブ洋室13畳まで)
  • 価格:公式27,280円、実売24,000円台〜

前年モデルのEE-DF50は公式ストアで完売しており、後継にあたるのがこのEE-DG50です。仕様は象印ダイレクトのEE-DG50製品ページで確認できます。

加湿と同時に気をつけたいのが水分補給です。冬は汗をかきにくいため水分補給を怠りがちですが、寒い環境ではのどの渇きを感じにくくなることが研究で示されています(4℃の環境で、渇きの感覚が最大40%弱まった)。脱水状態では筋肉のパフォーマンスが落ちます。のどが渇く前に、運動の前・途中・後に少しずつ飲む習慣をつけましょう。常温の水や白湯なら、体を冷やさずに水分を補えます。

床の冷えは厚手のトレーニングマットで遮る

室温を上げても、床は冷たいままです。腕立て伏せやプランク、クランチのように床に手や体をつける種目では、床の冷たさがそのまま伝わります。

床からの冷えを遮る力は、おおまかに**「厚さ÷素材の熱の伝えやすさ」**で決まります。空気を含んだ発泡素材は、同じ厚さでも発泡していない樹脂より数倍熱を伝えにくい性質があります。冬の宅トレには、10〜15mm程度の発泡素材のマットが向いています。

✅ アルインコ トレーニングマット:

  • 厚さ:10mm(WBF620)/15mm(WBF625)
  • 素材:NBR
  • サイズ:183×61cm
  • 価格:3,300円(10mm)/3,630円(15mm)

仕様はアルインコのトレーニングマット製品ページで確認できます。厚みがあるので、アパートやマンションで足音や振動を和らげる効果も期待できます。

冬の筋トレ前のウォームアップと服装

部屋を暖めたら、次は体を温める番です。冬はウォームアップの終わり方と服装を変えるだけで、本番の動きが大きく変わります。

ウォームアップは時間ではなく「軽く汗ばむまで」で決める

寒い日は筋肉や関節が温まるまでに時間がかかります。「5分」「10分」と時間で区切るのではなく、軽く汗ばみ、体がほぐれたと感じるまで続けてください。冬のウォームアップを何分にすべきかを示した研究はないため、時間より体の状態を基準にするほうが確実です。

🔥 冬のウォームアップの流れ:

  1. パーカーやスウェットを着たまま、腕回し・股関節回しなど関節を大きく動かす
  2. 足踏みや軽いジャンプ、ゆっくりのスクワットで心拍と体温を上げる
  3. 軽く汗ばんだら上着を脱ぎ、メイントレーニングへ

最初のセットは軽めの重量で行い、体の反応を確かめながら徐々に負荷を上げていくのが安全です。10℃の環境で行われた実験では、しっかり強度を上げたウォームアップのほうが、20分後もジャンプ力の向上(約6%)が保たれていました。軽く流すだけのウォームアップでは、効果がすぐに切れてしまいます。

セット間のインターバルで体が冷えてきたら、上着をもう一度羽織りましょう。

長い静的ストレッチより動的な動きで体を温める

ウォームアップで気をつけたいのが、じっと伸ばし続ける静的ストレッチを長くやりすぎないことです。

📊 ストレッチの種類とパフォーマンスへの影響:

  • 1部位60秒以上の静的ストレッチ:直後の筋力・パワーが平均4.6%低下
  • 1部位60秒未満の静的ストレッチ:平均1.1%の低下にとどまる
  • 動的ストレッチ(腕や脚を振る、回す):平均1.3%向上

体が硬いと感じる冬ほど、じっくり伸ばしたくなりますが、筋トレ前は腕回し・レッグスイング・股関節回しのような動きのあるストレッチを中心にしましょう。静的ストレッチを入れるなら、1部位30秒程度にとどめます。筋トレとストレッチの組み合わせ方は、筋トレとストレッチの正しい順番と効果的な組み合わせで詳しく解説しています。

保温と速乾を両立する冬の宅トレウェアと重ね着

冬の自宅トレーニングでは、体温調節しやすい服装がポイントです。

🧥 服装選びのコツ:

  • ウォームアップ時:パーカーやスウェットで保温する
  • 本番:長袖のベースレイヤーやTシャツで動きやすくする
  • 素材:ポリエステルなど吸汗速乾性のあるものを選ぶ

体が温まるまでは上着を着て、汗をかき始めたら脱ぐ重ね着が効果的です。綿素材は汗を吸うと乾きにくく、体が冷えやすいため、肌に直接触れる1枚は速乾素材を選びましょう。

寒い部屋で上着を脱ぐのがつらい人には、裏起毛の保温性と速乾性を両立したベースレイヤーが便利です。

✅ アンダーアーマー UAコールドギアアーマー コンプレッション ロングスリーブ モックネック シャツ:

  • 素材:ポリエステル87%/ポリウレタン13%(裏起毛)
  • 特徴:吸汗速乾、4方向ストレッチ、首元を覆うモックネック
  • 価格:定価6,600円、実売4,600円前後〜

シリーズの特徴はアンダーアーマー公式のコールドギア特集ページで確認できます。予算を抑えたいなら、ワークマンの保温インナー(780〜1,500円)も選択肢です。夏用のヒートギアを冬に使えるかどうかは、アンダーアーマーのヒートギアとコールドギアの気温別の使い分けを参考にしてください。

冬に筋トレのやる気を出す具体的な方法

部屋と体を温める準備が整ったら、あとは始めるだけです。とはいえ、その「始める」がいちばん難しいのが冬です。ここでは、冬に効きやすい心理的な工夫を紹介します。習慣化そのもののコツは筋トレが続かない理由と意志力に頼らない続け方で詳しく解説しています。

「とりあえず5分」だけやると決めて始める

やる気が出ない日は、**「とりあえず5分だけやる」**と決めてしまうのが効果的です。

「5分やって、それでもやる気が出なければやめていい」と自分に許可を出すと、最初の一歩が踏み出しやすくなります。実際には5分経つ頃に「せっかくだからもう少し」と感じることが多いはずです。

始めてしまえば後からやる気がついてくるという考え方は**「作業興奮」**と呼ばれ、ドイツの精神医学者クレペリンの作業曲線の研究がルーツとされています。脳の仕組みまで実験で確かめられた法則ではありませんが、試して損のない工夫です。冬なら、布団の中のウォームアップ(後述)を「5分」に充てると、布団から出るところまで一気に進めます。

冬のあいだは目標を週2回・短時間に切り替える

冬は目標を現実的なレベルに下げることも大切です。

夏と同じペースで進めようとすると、うまくいかないときに挫折感を覚えやすくなります。「週4回を週2回に」「1時間を30分に」など、冬用の目標に切り替えましょう。目標を下げるのは後退ではなく、ゼロの週を作らないための調整です。

カレンダーにトレーニングした日を記録しておくと、「ここまで続けてきたのだから」という気持ちが次の1回を後押ししてくれます。

体が温まりやすい時間帯に筋トレを入れる

冬は、いつやるかでハードルの高さが変わります。

人の深部体温には、明け方に最も低く、夕方から夜にかけて高くなる日内リズムがあります。冬の朝は体温が低いうえに、夜のあいだに部屋も冷え切っているため、1日の中で最も体が動きにくい時間帯です。

朝トレにこだわらないなら、帰宅後の暖房が効いた部屋や、在宅勤務の昼休みなど、体も部屋も温まっている時間に筋トレを入れるだけで、始めるハードルがかなり下がります。朝にやりたい人は、起きる30分前にエアコンのタイマーを入れておきましょう。時間帯ごとのメリットは筋トレに最適な時間帯の選び方で比較しています。

寒い日でも続けやすい冬の宅トレメニュー

ここでは、寒い日でも取り組みやすい具体的なトレーニングメニューを紹介します。

布団の中でできるウォームアップ

「布団から出たくない」という日は、布団の中からウォームアップを始めましょう。

🛏 布団の中でできるウォームアップ:

  • 足首回し(左右各10回)
  • 膝を抱えて股関節をほぐす(左右各10秒)
  • 両腕を伸ばして体を左右にひねる(10回)
  • 仰向けで自転車こぎ(30秒)

これだけでも血行がよくなり、布団から出る気力がわきやすくなります。

5〜10分で体が温まる全身メニュー

寒い朝でも5〜10分で体がぽかぽかになるメニューです。

⏱ 短時間全身メニュー(各30秒×2セット):

  1. スクワット
  2. プッシュアップ(膝つきでもOK)
  3. マウンテンクライマー
  4. プランク
  5. バーピー(余裕があれば)

器具がなくても全身を刺激でき、有酸素運動の要素も含まれているため、体が素早く温まります。短時間でも続けていれば、完全に休むよりずっと筋肉の維持に役立ちます。

器具なしでできる自重トレーニング

自宅で手軽にできる自重トレーニングメニューです。

種目主に鍛える部位目安回数
スクワット太もも・お尻15回×3セット
ランジ太もも・お尻左右10回×2セット
プッシュアップ胸・腕10回×3セット
プランク体幹30秒×3セット
クランチ腹筋15回×3セット
ヒップリフトお尻・もも裏15回×3セット

自重に慣れて負荷が足りなくなったら、ダンベルを使うと冬でも自宅で本格的に鍛えられます。重さを段階的に切り替えられる可変式ダンベルなら、1組で全身の種目に対応できます。

✅ BARWING 可変式ダンベル 24kg(2個セット):

  • 重量:2.5〜24kg(15段階)
  • 調節方式:グリップを回すダイヤル式
  • 価格:2個セットで約2万円

同じBARWINGからは、1kg刻みで22段階に調節できる新型も発売されています。何キロから始めればよいかは、ダンベル初心者の重さの目安と増やし方で解説しています。

冬に筋トレを続けるメリット

やる気が出ないのは仕方がない——とはいえ、冬に筋トレを続けることにははっきりしたメリットがあります。

筋トレには気分の落ち込みを和らげる効果が期待できる

冬に気分が沈みがちな人ほど、筋トレは味方になります。33件の試験・1,877人を分析した筋力トレーニングと抑うつ症状のメタ分析(JAMA Psychiatry)では、筋トレによって抑うつ症状が中程度に軽減していました。トレーニングの量や、筋力が伸びたかどうかにかかわらず効果が見られた点も特徴です。ただし、研究の質にはばらつきがあります。

実際に始めてみると、運動前より気分がすっきりして「やってよかった」と感じることは多いはずです。最初の一歩さえ踏み出せれば、トレーニング自体がやる気の支えになります。

春に向けた体づくりの準備期間になる

薄着になる春夏に向けて体を変えたいなら、準備を始めるのは冬です。

筋トレの効果は、筋力の向上が先に現れ、見た目の変化として自覚できるのは2〜3ヶ月以降が目安です。1月から始めれば、4月頃には変化が見え始めます。逆に春から始めると、夏本番に間に合わないこともあります。

冬は厚着で体型が隠れるため、周囲の目を気にせずトレーニングに集中できるという利点もあります。

冬は代謝が上がる?期待できることと限界

「冬は脂肪が燃えやすい」という話を聞いたことがあるかもしれません。国内のデータを見ると、半分は本当で、半分は言い過ぎです。

✅ 期待できること:

  • 関西の若年女性28人を調べた研究では、安静時の代謝は冬が最も高く、夏は20%低かった
  • 日本人を対象にした研究で、熱を作る褐色脂肪は冬に活性が高いことが確認されている
  • 若年男性の基礎代謝を1年間測った研究でも、季節によって約1割変動した

⚠️ 限界:

  • 褐色脂肪が働くのは、薄着で16〜19℃程度の寒さに1〜2時間さらされるような条件
  • 暖房の効いた部屋でウェアを着て筋トレする場合、寒さによる上乗せの消費はほぼない
  • 同じ研究で、冬は食事の摂取量や体重も増えていた

つまり、冬だから痩せやすいとは言えません。ただ、代謝が落ちる季節でもないので、筋トレと食事を夏と同じように続ければ、体づくりが不利になることはありません。冬に食べる量が増えやすいぶん、筋トレで使う量を確保しておく意味があります。

鍋や味噌汁でタンパク質をとりやすい

冬の食事は、鍋料理や汁物でタンパク質を効率よく摂取できます。

鶏肉、豚肉、豆腐、魚などを入れた鍋は、体を温めながら筋肉に必要な栄養を補給できるメニューです。味噌汁に卵や豆腐を加えるだけでも、手軽にタンパク質を増やせます。1人暮らしで鍋を作るのが面倒な人は、1人分ずつ作れる「エバラ プチッと鍋」のようなポーション調味料を使うと、寄せ鍋・キムチ鍋・濃厚みそ鍋など6種類の味で飽きずに続けられます。

味噌汁とご飯の組み合わせで、タンパク質の質がどう変わるかは味噌汁のアミノ酸スコアとタンパク質量で解説しています。

冬に筋トレをサボったら筋肉は落ちる?

「冬になって筋トレをサボってしまった」という人が気になるのは、筋肉がどれくらい落ちるかでしょう。

2週間程度の休みなら筋力はほぼ保たれる

結論から言うと、2週間程度の休みなら、筋力はほぼ保たれます。筋トレを積んだ人を対象にした研究をまとめた総説では、2週間休んでもベンチプレスやスクワットの記録はわずかにしか下がらず、筋力は最長4週間程度まで保たれやすいとされています。

休み明けに感じる「体が重い」「以前より挙がらない」という感覚は、主に筋肉を動かす神経の働きが鈍っていることによるものです。同じ総説では、筋肉の電気的な活動が8〜13%低下していました。

ただし、筋肉量が「まったく変わらない」わけではありません。2週間の休みでも、瞬発力を担う速筋線維がやや細くなったという報告もあります。何週間で筋肉量が明確に減るかは研究や個人によってばらつきがあり、はっきりした境目は示されていません。

3週間休んでも、再開すれば取り戻しやすい

もう少し長く休んでしまった人に参考になるのが、日本人を対象にした研究です。

ベンチプレスの継続トレーニングと周期的トレーニングを比べた研究では、トレーニング未経験の若年男性14人を2つのグループに分けました。

🔬 研究の内容:

  • 継続グループ:週3回のベンチプレスを24週間続ける
  • 周期グループ:「6週間トレーニング+3週間休み」を3回繰り返す
  • 結果:24週間を通した筋肉の太さと最大挙上重量の伸びは、両グループで同程度だった

周期グループは休み明けの伸びが大きく、休んだ分を取り戻していました。対象が未経験者である点には注意が必要ですが、3週間程度の休みで、それまでの努力が無駄になるわけではないことがわかります。休みと回復の関係は、超回復とフィットネス-疲労理論の違いでも解説しています。

マッスルメモリーでわかっていること・いないこと

一度鍛えた筋肉は、休んだ後に再開すると戻りやすいという考え方を**「マッスルメモリー」**と呼びます。その理由として「鍛えたときに増えた筋肉の細胞核が、休んでも残るから」という説明がよく使われますが、これはまだ研究途中の仮説です。

🔬 マッスルメモリーの研究状況:

  • 片腕を鍛えた12人の研究では、増えた細胞核が16週間の休み後も残っていた
  • 片脚を鍛えた19人の研究では、細胞核は増えず、再開後の伸びも鍛えていない脚と同程度だった
  • 筋肉の遺伝子のスイッチ(DNAメチル化)に「鍛えた記憶」が残るという報告もある

少なくとも筋力は、休んでもある程度残ることがわかっています。長く休んでしまっても落ち込む必要はありません。今日から再開すれば、それが一番の近道です。

まとめ

冬に筋トレのやる気が出ないのは、寒さで筋温が下がって体が動きにくくなることや、朝が暗くなって体内時計がずれることが主な原因です。意志の弱さではないので、自分を責める必要はありません。

対策は、気持ちより先に環境と体を変えることです。室温は18℃以上、20℃前後を目安に暖め、湿度は40〜60%に保ちます。床の冷えはマットで遮り、ウォームアップは時間ではなく軽く汗ばむまで続けます。そのうえで「とりあえず5分」から始め、冬のあいだは週2回・短時間の目標に切り替え、体が温まっている時間帯に組み込みましょう。

2週間程度休んでも筋力はほぼ保たれ、3週間休んでも再開すれば取り戻せます。完璧を求めず、ゼロの週を作らないことを優先して、春に向けた体づくりの準備期間にしてください。


冬の筋トレに関するよくある質問

風邪気味のときは筋トレしてもいい?

鼻水や軽いのどの痛みなど首から上の症状だけなら軽い運動は可、発熱や全身のだるさなど首から下の症状があれば休む、というのが一般的な目安です。ただしこの目安の根拠は少人数の実験にとどまるため、迷ったら休んでください。休む判断の基準は筋トレ後の微熱と風邪をひきやすい原因・休む判断基準で詳しく解説しています。

筋肉をつけると寒さに強くなる?

筋肉が増えると、震えによって熱を作る力は高まります。ただし、安静時に筋肉1kgが消費するエネルギーは1日約13kcalと小さく、筋肉をつけるだけで寒さを感じにくくなるほどの効果は期待できません。

筋トレを始めてから寒がりになったのはなぜ?

体脂肪が減った可能性があります。皮下脂肪は体の熱を逃がさない断熱材の役割をしているため、減量で体脂肪率が下がると、筋肉がついていても寒さを感じやすくなります。

冬にジムへ行きたくないときはどうすればいい?

「ジムに行くか、何もしないか」の二択にせず、自宅で10分だけやるという選択肢を持っておくのがおすすめです。本記事の短時間全身メニューを用意しておけば、完全にサボる日を減らせます。

冬は夏より筋肉がつきやすいって本当?

季節によって筋肉のつきやすさが変わるという根拠はありません。ただ、冬は食事量が増えやすく、厚着で体型が隠れるため、減量を気にせず筋肉量を増やすことに集中しやすい季節とは言えます。

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参考サイト・出典:

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